不動産とITを融合させ、仕組みをつくる(2)~インベスターズクラウド・古木大咲社長
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不動産業界が飲み込まれたリーマン・ショックを乗り越え、爆発的に業績を拡大させている(株)インベスターズクラウド。同社にとって、不動産とITとの融合は欠かせないキーワードだが、いかにして生まれ、今後どのような方向に進もうとしているのか。同社代表取締役の古木大咲氏に聞いた。
情報のクラウド化でキャッシュフロー改善
――御社の特徴でもあるキャッシュフロー経営についてお聞かせください。
古木 2006年1月に現・インベスターズクラウドを設立しました。当初はとにかくお金をかけてHPのSEO対策をすることで、「月100件の問い合わせ」を目標にしました。反響をもとに、土地を仕入れ、アパートを建てて、販売する。このスキームで福岡県内でのアパート供給棟数ナンバーワンとなることができました。2008年には売上20億円を超え、上場も考え始めていました。
そこにやってきたのがリーマン・ショックでした。集客は好調だったのですが、金融機関の対応が変わり、融資をつけることがこれまでよりも難しくなりました。当時、20億円の売上高に対し、在庫は10億円ほどありました。仕入は銀行借入で賄っていましたが、販売に滞りが出たことで、返済が苦しくなっていきました。なんとか売って返して、売って返して四苦八苦。キャッシュフロー経営の重要性に気付かされました。
アパート事業でキャッシュフロー経営を行うには、インターネットを活用し、土地のオーナーと投資家をマッチングして、自社で土地を仕入れずに、投資家へ販売して、アパート建築を請け負うというモデルが効率的だと判断し、アパート経営プラットフォームの構築をスタートしました。ネットで集客、ネットで土地を紹介すれば、土地情報の取得から売却までのスピードも大きく向上するはずだったのです。
しかし、2010年までの3年間、業績は横ばいで推移していました。他社はリーマン・ショックから立ち直り、再び売上を伸ばしていたころです。やはり以前のように土地を仕入れて売る方向に戻すべきか迷いましたが、そうすればまた同じ憂き目に遭う。社員にも「時間はかかるかもしれないが、在庫なし・無借金で売上100億円を達成しよう」と伝えていました。
(つづく)
【文・構成:東城 洋平】<COMPANY INFORMATION>
(株)インベスターズクラウド
代 表:古木 大咲
所在地:東京都港区南青山2-27-25-7F
設 立:2006年1月
資本金:6億192万円
売上高:(16/12連結)379億1,500万円<プロフィール>
古木 大咲(ふるき・だいさく)
1979年9月14日生まれ。高校中退後、三和エステート(株)へ入社。2006年に現・(株)インベスターズクラウドを設立。代表取締役に就任した。15年12月に東証マザーズへ上場を果たし、16年12月には東証一部へ市場変更した。関連記事
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