「他社がやらないことをやる」~芝浦グループ、新本社ビル建設へ(後)
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芝浦グループホールディングス(株) 代表取締役社長 新地 洋和 氏
芝浦建設(株) 代表取締役社長 藤松 信弥 氏不動産、建設を始めとして、メガソーラー・電力小売・ホテル・農業・イベント事業・航空機リース・飲食など、多岐にわたる11社の子会社を束ねる芝浦グループホールディングス(株)(以下、芝浦GHD)。創業45周年となる2022年に、芝浦グループの新たな本社ビルが竣工する。グループを統括する芝浦GHDと、新本社ビル建設を担うグループの中核企業・芝浦建設(株)のそれぞれのトップに話を聞いた。
グループの要~芝浦建設・藤松社長
シンチデンキがルーツであり、芝浦グループの要企業・芝浦建設の社長を務める藤松信弥氏は、芝浦グループに入って22年になる。藤松社長は「入社当時、現在の芝浦グループはまったくイメージできませんでした。私もイチ現場員として入社したのですが、会長とともに時流を読んだ新たな事業をつくり上げてきたことは、二度と経験できないことだと思います」と語り、新本社ビル建設については「創業から今日までグループが培ってきた事業構築の本質を集大成させるモノです」と続けた。
新本社ビルは総工費30億円、地上10階建、延床面積5,000坪と、これまで芝浦建設が施工してきた物件のなかでも最大級となる。1階の自動車整備工場ニューガイアモータースは、民間車検場として地方運輸局からの指定も受ける。2~5階は自走式の駐車場(160台収容)、6~7階は“スーパーカー・ガレージ”(80台収容)とする外部顧客の車輌を最良のコンディションで保管するスペース、8~9階はグループ会社のオフィス、10階はイベントホールおよびスーパーカー展示スペースとなる。
倉庫街の「那の津」に、30億円をかけて10階建・延床面積5,000坪の新本社ビル建設―普通は考えにくいプロジェクトともいえるが、「なぜ那の津に本社ビル?と思われると思いますが、誰もやらないことをやるのが、芝浦グループの社是でもあります」(藤松社長)と“芝浦イズム”を語ってくれた。
新本社ビルのすぐ近くには福岡都市高が通り、10階部分は都市高を通行する車からちょうど見える高さ。展示されるスーパーカーやビルの看板が、芝浦グループを宣伝する大きなスペースとなる。
新本社ビルでスーパーカー事業化
新本社ビルの最大の狙いはスーパーカーの展示だけでなく、「スーパーカーの本格的な事業化」だろう。スーパーカーオーナーは、一般車と同じスペースに駐車するのを嫌う。また、不特定多数が駐車するスペースでは、車幅の広いスーパーカーは駐車しにくいのも事実だ。覚えのない傷が付いていた苦い記憶もあるだろう。
新本社ビルではプライバシー・セキュリティ面に配慮した専用のガレージが設けられるほか、車検整備、洗車などのメンテナンスも受けられる。スーパーカーオーナーにとっては、都市高へのアクセスの良さも利点だ。乗り換えにともなうスーパーカーの買取も検討しているという。「単なる本社ビルではなく、お越しいただいたお客さまに楽しんでいただける。また自動車などを通じて、お客さまとさまざまなビジネスのきっかけづくりとなるビルに成長させていきます」(藤松代表)。芝浦グループらしい“他社がやらないことをやる”を集結させた新本社ビルは8月に着工予定で、2022年春の完成予定だ。
(了)
【河原 清明】
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