2024年04月20日( 土 )

管理組合の立場でプロジェクトを調整 マンション建替えアドバイザーの役割(前)

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(株)ラプロス 樋口 繁樹 代表取締役

 「レジデンス百道」(2015年3月竣工)など数々のマンション建替えに関わり、九州におけるマンション建替えのパイオニアとして知られる(株)ラプロス。レジデンス百道に隣接する「藤崎公団住宅」のマンション建替え事業においてもアドバイザーとして参画している。今回、藤崎公団住宅の建替えについて、これまでの経緯と今後の方針を同社の樋口社長に聞いた。

レジデンス百道の成功で弾み

 ――藤崎公団住宅のマンション建替え事業はいつごろから計画されていたものなのでしょうか。

(株)ラプロス 樋口 繁樹 代表取締役

 樋口 建物の老朽化にともなう安全性への問題意識が高まり始めたのは10年以上前と聞いております。2015年3月に弊社が提案した建替えシミュレーションにより機運が高まり、計画は再始動しました。
 その年の5月に建替え推進決議が可決され、同時に弊社も正式にアドバイザーに就任。7月には、検討委員会が設置されました。隣接の旧・藤崎住宅が「レジデンス百道」として再生されたことも、区分所有者の皆さんの建替え機運が高まるきっかけになったのではないでしょうか。

 ――レジデンス百道も御社がアドバイザーとして建替えプロジェクトに参画されました。今回の事業との違いはありますでしょうか。

 樋口 レジデンス百道に関しては、区分所有者や関係者間で当社が関わる前から15年以上に渡り話し合いが行われました。02年にマンション建替え円滑化法が施行されたことにより、建替組合方式でデベロッパーが参加組合員として事業協力するかたちが可能になりました。そのことにより組合が主体となって建替事業を進めていくかたちが現実的なものになりました。

 ――デベロッパーの選定はどのように行われたのでしょうか。

 樋口 委員会が認める一定規模の大手企業で直近の5年間で福岡都市圏におけるマンション供給実績の上位から11社を選定しました。そのすべての企業を検討委員会の方と一緒に訪問し、事業に対する思いをデベロッパーにしっかり伝えるところを重視した結果、選定には半年以上を要しました。これまでの実績やコンペでの提案などが区分所有者に評価され、最終的に三菱地所レジデンス(株)、福岡地所(株)、積水ハウス(株)のグループに決定しました。

 ――さまざまなステップを経て、今年4月13日付でマンション建替組合の設立が福岡市長より認可されました。事業スタートに向けての意気込みをお聞かせください。

 樋口 完成予定(2020年5月)は、東京五輪が開催されるオリンピックイヤーです。区分所有者には、新しいマンションでのオリンピック観戦を楽しみにされている方もおられますので、スケジュールに遅れが出ないよう、あらゆる面でのサポートを行っていきます。組合運営は区分所有者・デベロッパー間における中立の立場を保つ一方で、各個人の区分所有者の目線でのフォローをきめ細かく行い、円滑に建替え事業が進むように努めてまいります。

(つづく)
【代 源太朗】

<COMPANY INFORMATION>
所在地:福岡市中央区天神1-12-1日之出 福岡ビル5F
設 立:1999年8月5日
資本金:1,000万円
URL:http://www.lapros.co.jp/​

 
(後)

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