2024年04月19日( 金 )

別府市が挑む、世界で一番輝くまちへの挑戦(前)

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 遊べる温泉都市構想の実行委員長でもある長野恭紘市長は、今回の『湯~園地』の成功やそれにともなう今後の別府市のまちづくりの在り方に対して、どのような考え・思いを持っているのだろうか。

観光客が求める非日常を提供

 ――「湯~園地計画」など、別府市の観光PR方法は多岐にわたります。クラウドファンディングによる歳入強化、既存市営温泉施設のリノベーションによる観光資源としての魅力向上など、今後の交流人口増加に向けた計画について、お考え・思いなどをお聞かせください。

別府市長 長野 恭紘 氏

 長野市長 観光客の皆さまは、非日常を求めて別府市に来てくださっています。もちろん、多くのお客さまに来ていただきたい思いはありますが、お客さまを増やすための直接的な事業をするのではなく、それ以上に、市民の皆さまが自分たちのまちに誇りを持ち、幸せになるために地元の魅力や宝をさらに磨くことが大切だと考えています。

 今回、「湯~園地計画」では、何か新しいものを外から持ち込んだり、奇をてらったことを行ったりしたわけではありません。昔から別府市にあるものを掛け合わせて見せ方を変えたら、市民にとっても観光客の皆さまにとっても魅力的なものになりました。そういうことにこだわって、地元にあるものを徹底的に磨いていくということが、ひいては観光客の皆さまに非日常を体験していただくことになると思います。

 別府市には、多くの観光資源があります。新たなお客さまを獲得するよりも、まずは今来ていただいているお客さまを大切にし、リピーターを増やすことが大切です。

 また、インバウンド対策についても、特別な対策を計画することではなく、シンプルに、やはり地元の宝を磨くことだと思います。ただしインバウンドは、ピンポイントでPRすることが必要です。どの国や地域に対しても一律なPRを行っていては効果が薄く、相手(国・地域)に合わせて何をすれば効果的なPRとなるか、そうした戦略が必要です。2019年にはラグビーワールドカップ、20年にはオリンピック・パラリンピックが開催され、それに向けて、18年は日本に来ていただくお客さまに対して、どう別府に来ていただくかに焦点を当てた対策を進めたいと考えております。

(つづく)
【代 源太朗】

<プロフィール>
長野 恭紘(ながの・やすひろ)
1975年4月生まれ。日本文理大学商経学部卒。衆議院議員秘書を経て、2003年4月、別府市議会議員初当選を果たす。07年4月に別府市議会議員再選、15年4月 に別府市長初当選し、現在に至る。

 
(後)

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