2024年04月19日( 金 )

別府にはまだまだ価値がある!市民全体でおもてなしのレベルアップを(前)

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(一社)別府市観光協会 専務理事 安波 照夫 氏

 湯布院や黒川温泉などに人気を奪われ、以前から比べるとやや勢いに陰りが見られるようになっていた観光地・温泉地の別府に、再び光が当たりつつある。(一社)別府市観光協会専務理事の安波照夫氏に聞いた。

地域の魅力の再発掘

 ――最近、観光地・温泉地としての別府が、再び脚光を浴びつつあるように思います。

(一社)別府市観光協会 専務理事 安波 照夫 氏

 安波 まちづくりに関して別府市は、「地域のまち歩き観光」の発祥の地のようなものです。これを参考にして長崎では「さるく」の取り組みがつくられましたし、そうしたまち歩き観光などの取り組みは、別府では昔から盛んです。

 現在のような「別府八湯」というかたちでのまちづくりの始まりは、1996(平成8)年8月8日の8時8分に、「別府八湯勝手に独立宣言」というものを行ったことからです。これは、それまで「別府」という大きなエリアでの捉え方をされていたものを、「八湯」(別府温泉、浜脇温泉、観海寺温泉、堀田温泉、明礬温泉、鉄輪温泉、柴石温泉、亀川温泉)それぞれの温泉場で、地域の人がまち歩きをしながら、それぞれの財産をもう1度掘り起こそうという取り組みを始めたものです。これが今では「別府八湯ウォーク」として、地元ガイドが歩きながら観光客を案内するウォーキングツアーとして認知されており、現在、別府市全体の観光の下支えをしています。やはり新しいことを積み上げて、さまざまな魅力を掘り起こしていくことが必要だと思いますし、今来ていただいている観光客数に満足して、あぐらをかいていてはいけません。

 情報発信のあり方も変わってきています。昔であれば、立派なポスターを東京や大阪などの駅に貼って宣伝するだけで観光客が来ていた時代もありましたが、もう今はそんな時代ではありません。各人がSNSなどで情報発信する時代になりましたし、そうした体験談や口コミのほうが、より集客効果があります。時代によってツールの使い方なども考えていかなければなりませんが、それにいち早く目を付けたのが、今の別府市長ではないでしょうか。とくに最近で言えば「湯~園地」の取り組みなどは、若い市長ならではの感性であり、強みだと思います。ああいった打ち出し方が、今の別府のPRにとっては一番良いのではないでしょうか。

 日本人のなかで、「温泉地・別府」の名前を知らない人は、ほとんどいないでしょう。ですが、最盛期から比べると、やはりどこか忘れられているような気もします。それをもう一度、「別府は元気なんだ」ということを発信していかなければなりません。そうしたときに、「湯~園地」などはかなりのインパクトがあったのではないでしょうか。こうした影響かどうかはわかりませんが、世界各地に高級ホテルを展開する「インターコンチネンタルホテル」が別府への進出を発表したほか、星野リゾートや大江戸温泉物語なども進出してくるなど、「別府にはまだまだ価値がある」ということが認知され出してきているようにも思います。

(つづく)
【坂田 憲治】

▼関連リンク
・(一社)別府市観光協会公式ホームページ

 
(後)

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