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自立する地域社会

大都市の民意は届かない?~名古屋で浮き彫りになったリコール制度の問題点
自立する地域社会
2010年9月22日 14:02

 現在、愛知県名古屋市で行なわれている名古屋市議会へのリコール運動が、地方自治法に定められたリコール制度の問題を浮き彫りにした。
 名古屋で署名を集めている市民ボランティアの最大の敵は「1カ月以内」という署名募集期間である。地方自治法施行令第92条第4項には、都道府県は「2カ月以内」、市町村は「1カ月以内」と定められている。リコールが認められるための必要署名数は、有権者数で算出(後述)する。この自治体の分類で期間が決められていることが、政令指定都市におけるリコールを極めて困難にしているのだ。
 たとえば最近リコールが起きた名古屋市と阿久根市を見てみると、名古屋市は人口225万9,140人(9月1日現在)、阿久根市は2万3,790人(8月末現在)である。自治体規模では圧倒的な差があるが、どちらも「市」として、リコールの署名募集期間はともに「1カ月以内」となる。

 なお、リコールが認められるための必要署名数は、地方自治法第76条に定められている。それは有権者数によって算出方法が変わるもので、有権者数40万以下の場合は3分の1。40万を超えると、40万を超えた数の6分の1と40万の3分の1を足した数となる。
名古屋市・リコール署名窓口の様子 名古屋市の場合、必要署名数は約36万6,000人。阿久根市は約6,600人。36万の署名を1カ月で集めるには、1日に1万2,000人から1万3,000人の署名を集めなければならない。たいへんな労力と人手、そして時間がかかることは想像に難くないだろう。
 さらに16区に分かれた名古屋市では、区ごとに署名簿を作成しなければならない。もし、熱田区の署名簿に中区の有権者が署名したら、その署名は無効となる。
 大人数分の署名を広範囲に渡って集めるためには、多くのボランティアの参加が必要だ。ただし、参加者が増えれば増えるほど、その統制は難しくなる。一部で署名の強要、点字ブロック上への窓口設置など、活動内容を問題視する声があがっているが、組織が急速に大きく膨れ上がったことが現場の混乱を招いているのではないだろうか。

 リコールに対する有権者の理解不足も、克服しなければならないハードルのひとつだ。選挙とは違い、滅多に経験することがない制度だけに、署名を募る側もする側も初経験であることがほとんどと言ってよい。
今回の名古屋では、リコール活動当初、全市にハガキを送り受任者を募ったという。集まったのは4万2,000人。単純計算で、ひとり10人の署名を集めればリコール必要数を軽く超える。ところが、ふたを開けてみると署名簿を受け取り、自分ひとりの署名をして返却してきた市民が多かったという。受任者についての認識が徹底されてなかったのだ。
ほかにも「いつ署名するためのハガキが来るのかと思っていた」「投票が行なわれるのを待っていた」などといった問い合わせも多いという。

 規模が大きくなればなるほど、住民の声が行政に届きにくい。これはリコールに限ったことではないが、少なくとも制度上不備があると言わざるを得ない現行リコール制度は早く是正をすべきではないだろうか。また、大都市における地方議会は、その任期中、ほぼ「解散することがない」と言ってもよい。

【山下 康太】

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