ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

社会

思考の壁を除き「うつ病」を克服(前)~NPO法人「人間賛歌」相良五郎理事長
社会
2013年4月17日 13:29

<うつ病対策の壁は「思い込み」にあり>
sagara.jpg 今年3月に見直された福岡県健康増進計画「いきいき健康21」によると、福岡県における「躁うつ病を含む気分(感情)障がい」患者は、4.1万人(2008年の患者調査による)と05年の3.7万人から増加している。また、うつ病は、自殺を誘引するものとして危ぶまれており、「自殺の背景にはうつ病が多く存在することも指摘されており、うつ病に対する対策は重要」(同計画)と記されている。

 社会問題として重要視されるうつ病だが、この対策について「うつ病は感情障がいというより思考障がい」と言う"こころの専門家"がいる。NPO法人「人間賛歌」理事長の相良五郎氏だ。相良氏は、こころの健康をテーマとし、44年間、感情障がいと言われる人々のカウンセリングに携わってきた。顧客は3,000人以上、その家族も含めると1万人にはなるという。全国に活躍する相良氏がカウンセリング上重視しているのは、「思い込み」という思考の壁を取り払うことだ。

 では、相良氏いうところの「思い込み」とは、どういうものなのだろう。この件について、同氏のテキスト「さがら療法」から、一部を引用する。

 私が、「心の仕組み」に取り組み、今年で44年に入った。
 その間、心の強さを研究し「心の苦痛」という障害に取り組んできた。
 うつ病の改善策は出来上がったが、社会の認知を受けているとは言えない。
 「うつ病」は医療の世界で治療するのが「当たり前」だと思われている為だろう。
 だが昔から「医者に身体(からだ)は治せても心は治せない」という言葉もある。
 うつ病を捉えると、医学と心理学を切り離さなければ解決できない時があるのに、今のご時世、何でもかんでも統計だけを重要視して判断している。
 調査したとかデータ上の数字を、社会が信じこみ概念として受け入れてしまう。
 無論それらのデータは大切であるが、その得体のしれない社会の概念は、人々の「思い込み」となってしまう。
 うつ病だけをとらえると、
 「うつ病の治療は医者がするのが最適だ」という社会の思い込みがある。
 その思い込みが、うつ病治療の壁になっている。
 その「思い込みの壁」を打ち破るのに、この数年を要している。
 うつ病に対する「思い込みの壁」とは、うつ病は脳の病気とか、うつ病は治療や投薬が必要な病気と信じられていることだ。
 それとも信じてはいないが「うつ病は難しい病気」と、決めてかかっている事だ。

 心に不安や恐怖を持ち込み「ウツ症状」を現すのに、脳内の機能的な障害を持つものと、脳内の機能的な障害を持つ病気は、精神治療では改善せず、精神科の「受診・診断・治療」が必要であり、後で何度も述べているので省く。

 ここでは脳の機能障害がなく、うつ症状を出す「うつ病」から来る心の苦痛を主題としている。
 「思い込みの壁」とは、うつ病が脳の病気という社会の概念である。
 脳も身体の一部であり、身体病理(うつ病)の治療は、医者だけが治せる難しい病気という概念である。
 うつ病が脳内の機能的な障害:病気であればそれも正しいが、うつ病が脳内の病気と言う概念は正しくない。 

 この後、そのような人々の概念を取り除くために、何度も重複して説明している。

 まず、相良氏が危惧しているのは、うつ病の根本的な問題に向き合わず、脳の病気として検査や治療、そして投薬による症状の消滅を目指す、現代の風潮だ。そして相良氏は、「うつ病は感情障がい」という思い込みにも警告を発する。

 44年間、「さがら療法」によって、今も多くのうつ病患者から症状を取り除いてきた経験は、うつ病の大部分が、「思考障害」によって「思考不全」を起こしている状態だと確信させてくれた。「むしろ、うつ病の方の感情は健全です。だから苦しむのです。問題は、苦しみを生むような思考のあり方です。この根本的な問題を変えないと、症状はなくなりません」と、相良氏は語る。

(つづく)
【黒岩 理恵子】

| (中) ≫


※記事へのご意見はこちら

社会一覧
脱原発・新エネルギー
2013年4月10日 16:12
チャイナビジネス最前線
2013年4月10日 10:37
社会
2013年4月 8日 18:57
社会
2013年4月 1日 15:39
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル