６月４日、釜山ロッテホテルで、釜山広域市、福岡市、釜山商工会議所、福岡商工会議所の主催による第３回目の「釜山－福岡ビジネスCEOフォーラム」が開催された。参加者総数は、福岡商工会議所議員・各企業および福岡市関係者が25名、地元釜山側は110名の合計135名。３時間という時間内に、（１）「自動車及び自動車部品産業交流を釜山・韓国東南部と北部九州間で活発化させるか」、（２）「観光産業交流の活性化の道は？」という２つのテーマで論議された。

　このフォーラムの発足の背景を簡単に説明すると、1989年に釜山広域市と福岡市が行政交流都市として覚書を締結したことから始まる。2007年には両市は姉妹都市締結に発展し、さまざまな分野での交流が行なわれてきた。また、釜山商工会議所と福岡商工会議所も1989年に業務提携を結び、2009年に姉妹提携を締結した。

　この締結を記念し、新たに緊密な経済関係を構築するために「釜山－福岡ビジネスCEOフォーラム」が発足し、第１回目は釜山、第２回目は福岡で開催された。第３回目は、もともと12年秋に釜山で企画されていたのだが、残念ながら「竹島問題のトラブル」で延期された。そしてようやく８カ月遅れで第３回目の開催となった。

　同フォーラムでの挨拶のなかで、福岡商工会議所の末吉紀雄会頭は、「2010年から新規事業の促進などを目的とした『フランチャイズ・創業国際釜山博覧会』の共催や、『福岡－釜山商談会』の開催などを通して、両地域の中小・小規模起業者のビジネス交流の促進に努めてきたが、まだまだ道半ばだ」と述べられていた。歴史問題に目をつむるということではなく、未来志向の観点から釜山・福岡地域がスクラムを組み、さらなる経済発展を目指す努力が重要であろう。

　上記の２つの討議事項に参加してみると、釜山・福岡の緊密な結合関係は進んでいることがわかった。日産九州苅田工場は、釜山周辺の自動車部品メーカーからの納品に依存している。また観光分野でも、お互いの往来交流を拡大させて観光産業を発展させていることが確認された。福岡の観光産業において、韓国・釜山からの旅行者に対する依存度は高い。グローバル化が進む激変時代には、戦略的パートナーが必要であることは自明の理である。そういう観点からも、近隣都市釜山との関係を一段と緊密化させることの重要性を今回のセミナーで学んだ。

　なお、次回の第４回目は、福岡市で開催される予定だ。

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