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特別対談・日本とラオスの今後は(1)~駐日ラオス特命全権大使ケントン氏×赤坂綜合事務所・荻坂代表
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2013年9月 4日 07:00

 日本は、長年、ODAでインフラ整備を行なうなど、ラオスを支援してきた。しかし、ビジネスでの進出は出遅れ、今、経済急成長中のラオスにあるビジネスチャンスを享受できていない。ラオスへの外国直接投資累計額では、ベトナム、タイ、中国、韓国、フランス、マレーシアの後塵を拝し、第7位にとどまっている。
 日本とラオスは、1970年代に日本などの支援でダムを建設するなど、長く関わり合いを持っていながら、いざラオス経済が上昇気流に乗っている今、民間企業の進出のスピードは遅く、ラオスにある商機を生かし切れていない。ラオス側も日本企業の進出を心待ちにしているが、日本側の進出の決断は煮え切らない。
 日本とラオスは、今後、いかにして経済交流を深め、双方、WIN-WINの関係を築いていくのか。日本企業からの投資促進を目標に掲げている駐日ラオス大使館、ケントン・ヌアンタシン特命全権大使と、ラオスに大いなる商機を見出し、首都ビエンチャンにスタッフを送り込んでビジネスを展開する赤坂綜合事務所の荻坂昌之代表に、2カ国の今後について対談してもらった。

 ――日本は、民間企業の進出に関して、タイ、中国、ベトナム、韓国などの後塵を拝しています。また、視察には行っても、実際には進出しない日本企業が多い。上り調子のラオス経済。中南部のサワンナケート県、サワン・セノ経済特区など、税制面でも優遇される経済特区が設置され、ラオス政府では、2020年までに経済特区をさらに増やす計画を立てています。
 日本のビジネスマンたちはどういう選択をするのか。このまま、指をくわえているだけでは、中国や韓国に先を越され、上昇気流のメリットを奪われるということになります。

<「ぜひ、日本にはラオスへの投資総額で1位に!」(ケントン大使)>
握手を交わすケントン大使と荻坂代表.JPG ケントン・ヌアンタシン特命全権大使(以下、ケントン大使) この対談をきっかけに、日本とラオスの相互交流が深まればいいと願っています。ここ数年でラオスの経済は成長し、経済成長率では、毎年8%前後を維持しています。2011年には、1人当たりGDPで1,200ドルに到達しました。海外からの投資を呼び込む政策が功を奏し、ヨーロッパ、アジア各国からの投資が入ってきています。日本からの投資も近年、増加傾向にあります。ただ、日本は海外各国からの投資額の順位では、ベトナム、タイ、中国などの下で、第7位に位置しています。

 荻坂昌之代表(以下、荻坂代表) ケントン大使と会うのは3回目になりますが、こうして日本とラオスの将来についてじっくりと話す機会は初めてで、大変嬉しく思っています。昨今、ラオスに対する熱は上がってきていて、日本から進出したいと興味を示す企業も増えてはいますが、まだ、日本の企業は決断が遅い。日本政府は、同じ東南アジアでもミャンマーの方を向いています。私が所属している日本商工会議所の大メコン圏ビジネス研究会のメンバーや、ラオス政府の計画投資省で上級顧問を務めている鈴木基義さんとは、常々、日本からの投資総額は7番目に止まっていますが、『これを何とか3番目まで押し上げるように努力しよう』と言っています。

 ケントン大使 私は、日本に3番目になってほしいとは思っていませんよ。ぜひ、日本には1位になってほしいと願っています(笑)。日本政府には、長らくODAで協力してもらい、道路や橋などインフラ整備の支援をたくさんいただいてきました。ですが、それに比べて、日本からの進出企業が少ないというのが現実ですね。企業を誘致する手段の1つとして、ラオスの肥沃な農地を活用して、無農薬の農業を行なってはどうかと推奨しています。例として、ツムラがラオスの農地を利用して、漢方薬の栽培を行なっています。

(つづく)
【岩下 昌弘】

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<プロフィール>
kenton.jpgケントン・ヌアンタシン駐日特命全権大使
1955年1月生まれ。73年にパテトラオ外交部入省。駐米ラオス大使館事務官、ラオス外務省ヨーロッパ・アメリカ部次官などを経て04年、駐オーストラリア、ニュージーランド特命全権大使。09年より政府報道官を務める。12年2月、駐日ラオス特命全権大使に就任。

<プロフィール>
ogisaka.jpg荻坂 昌之 氏
1934年1月生まれ。赤坂綜合事務所代表。経営コンサルタント、不動産コンサルタント。日本商工会議所の大メコン圏ビジネス研究会の理事を務める。ラオスでは、水力発電など自然エネルギー事業、日本企業の工場設立支援などを手がける。57年にオギサカ(株)を設立。ベルギーなどヨーロッパでも不動産ビジネスを行ない、90年単体の売上高約980億円。95年に上場会社ヒューネットの再建を依頼され、代表取締役社長に就任。就任当時28億円だった売上を270億円まで立て直す。2008年より赤坂綜合事務所にて、ラオスを中心に東南アジアでのコンサルタント業務を展開している。


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