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米軍基地辺野古移転問題、名護市長選前に揺れる沖縄
行政
2013年12月 9日 12:12

<市長選争点は基地移転受け入れの是非>
 2014年1月に行なわれる沖縄県名護市の市長選挙。政府が進めている米軍・普天間基地の名護市辺野古への移転の是非が争点となっているが、移設を断固反対する現職の稲嶺進氏に対し、移設容認派からは10年の選挙で敗北した元市長の島袋吉和氏、名護市選出の自民党県議・末松文信氏の2名が出馬を表明した。保守分裂を避けようと自民党が介入し候補を一本化する話も浮上している。

普天間基地名護市役所。市長は移設に断固反対

 11月27日、名護市の稲嶺市長は、県に対して辺野古移転に反対する意見書「公有水面埋立承認申請書に関する意見」を提出した。同意見書には市民の声として、反対意見のほか、賛成意見をも掲載した上で稲嶺市長の私見を含め、移設に反対する理由が詳細に記載されている。

 主な内容は、国の生物多様性基本法に基づく生物多様性国家戦略と、今回の辺野古移設の整合性がないという指摘。生物多様性国家戦略では南西諸島などで見られるジュゴンが泳ぐ姿やウミガメの上陸・繁殖について、その保全を推進することを目標にしているほか、「奄美・琉球諸島」の世界遺産登録に向けての取り組みを行なっている。当埋立事業はこれらの国の計画などと整合しないとしている。地方公共団体の現職市長が公有水面埋立法に基づき反対意見を述べたのは極めて異例。

 一方、自民党の沖縄県連は1日、県外移設を求める公約を事実上反故にし、辺野古移設を容認する決定を出した。辺野古移設反対の意見を表明している仲井真弘多知事は5日の県議会本会議で改めて「県外移設」方針を示している。今、普天間基地の返還と移設先を巡って、議会も混迷している。

わんさか大浦パーク前から見た大浦湾。

<宜野湾市は基地固定化反対>
 沖縄では、基地問題に関して、現実と報道の内容は大きく違うという声が多く聞かれる。基地の存在が交通渋滞を招いており沖縄の経済発展を阻害するという意見も聞かれるが、「そもそも基地がなくても経済は回るのか?」という素朴な疑問を抱いている人たちも多いだろう。普天間基地のある沖縄県宜野湾市の基地対策課によると、「基地に依存しなくてもまったく問題ない。沖縄返還直後はたしかに基地収入の依存度が15%あったが、現在は3~4%しかない」という。市としても基地の固定化には反対だ。

 また、「周辺の商業施設は高収入と言われる米軍施設の従事者らによる恩恵を受けている」とも言われてきたが、「(米軍従事者が)買い物をすると言われるが、それはあまり多くはない」というのは普天間基地周辺のスーパーマーケット関係者。沖縄の小売店のほとんどでドル紙幣が使えるが、「米軍関係者がたくさん買い物に来ているわけではない」という。米軍内には関税がかからない商業施設が存在し、わざわざ買い物に出かける必要がないためだ。それよりも住民として、米軍の飛行訓練による精神的な被害のほうが大きいという。
 「オスプレイが住居の上を飛行すると、電波障害が発生し、テレビが砂嵐になることがある。それも精神的にはストレスになっている。何よりも子どもの小学校に墜落などしたら取り返しがつかない」と子どもを持つ30代男性は切実に語った。

<賛否両論>
 普天間基地を辺野古に移せば済むという単純な問題ではない。「沖縄県民は米軍の暴行事件と米軍機墜落事件などにより複雑な感情を抱いている。誰しもが県外移設を望んでいる」、「なぜに沖縄ばかりが米軍基地を負担しなければならないのか」という意見もあれば、「基地ができれば周囲の経済も活性化する。発展している普天間のような都市になれば、北部地域にとってもプラスである」、「海洋国家を目指す中国の脅威から身を守るためには辺野古に基地を置くのが最も現実的」といった意見もあり、賛否両論だ。

 「基地は嫌だが辺野古移設やむなしという考えの人は現実主義者で、どうしても県外・国外という考えの人は理想主義者。といっても現実主義者でありながら理想主義者の一部の考え方を持っていたり、また、その逆の場合もあるだろう。現実と理想の狭間で揺れている」と、沖縄経済の関係者は語る。

 名護市辺野古への普天間基地移設は、1996年に橋本龍太郎首相とウォルター・モンデール駐日大使との間で行なわれた会談により同飛行場の返還が沖縄県内移設の条件付きで合意されたことにさかのぼる。その後、名護市民は、移設容認派と反対派との間で大きく揺れ、2009年9月に誕生した民主党政権・鳩山由紀夫首相の「最低でも県外」という発言で賛否の対立が厳化した。名護市長選で市民はどのような判断を下すのか。

普天間市街。基地は左手にあり、 都市のど真ん中に位置している辺野古のキャンプシュワブ横にある社交街。 奥は住宅街


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