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【特別対談】福岡からアジアへ、高まる企業の進出熱(後)
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2014年1月11日 07:00
一般社団法人九州経済連合会 国際ビジネス推進室(IBC)室長 新田敏之氏
公益社団法人福岡貿易会 専務理事 甲斐敏洋氏

 ――現地の方に望まれたものでなければ、受け入れられません。やはり現地のニーズを的確に調査し、発信することが求められます。

 新田 2013年12月に安倍首相がASEANを訪問し、医療環境の改善を望まれたと言っていました。やはり医療水準は、日本に比べるとずいぶん遅れているのですか。

大谷賢二氏 大谷 医療は大幅に遅れています。カンボジアでスタッフが倒れて、ヘリコプターでバンコクに運ばれて助かりました。カンボジアではまず助からない。現地で活躍している日本人も多くなっていますが、不安なのは医療なんです。

 甲斐 ラオスも同様です。在福岡ラオス名誉領事の中島幸一先生が、現地の医療改善に熱心に取り組んでいます。ラオスの病院に日本の中古医療機器を設置する計画を進めています。問題になるのは、輸送費の負担なのですが、外務省に相談したところ、基金が使えそうだと言われました。実現へ向けて、一歩一歩進んでいます。

 ――では最後に、今後どのように九州の中小企業を支援していくのか、それぞれお聞かせください。

taidan.jpg 甲斐 福岡貿易会に入り、9年目を迎えました。入った当初からこれまでを振り返ると、企業の海外進出に対する意識は非常に強くなっていると思います。同時に進出しないことへのリスクを感じ始めるようになっています。
 また、以前は製造業中心の進出が主でしたが、今は第三次産業、サービス業、飲食業が一気に出始めました。選択肢が増え、異業種での参入、小資本での参入も可能になっています。まずは1社でも多くの企業を視察に招き、海外市場を感じ取ってもらうことを第一にやっていきたいと思います。個人的には農業や飲食業などの分野で、とくに若者に頑張ってほしい。

 新田 日本の安心安全のイメージが飲食店の進出を後押ししているのでしょう。和食も世界に広まり、人気を得ています。この流れを拡大していくべきでしょう。各企業とも、将来的に日本国内の需要が先細りすることに危機感を感じています。以前は大手がそれを感じ取り、先手を打って海外に出ていました。今はその流れが中小企業に向かっています。
 また、企業の進出支援を後押しするような政府の政策も増えています。しかし、補助金、助成金などの政策を知らない企業が多い。IBCに来て初めて、助成金の存在に気付く場合も多いのです。可能な限り、制度を有効活用してもらって、一歩を踏み出してもらいたい。同時に政府に対しても、中小企業が進出しやすい環境づくりを訴えていきたいと思います。

(了)
【文・構成:東城 洋平】

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一般社団法人 九州経済連合会 国際ビジネス推進室(IBC)
 将来的な九州の内需縮小を受け、アジアの成長力を取り込むことを背景に2012年7月に開設。母体となる九経連の会員は大手企業が中心だが、IBCは九州全域の中小企業の海外ビジネス展開を支援することで、九州経済を活性化させることを目的とする。九経連の会員約960社の海外ネットワークを活用し、現地パートナー企業や海外工業団地を紹介。海外政府・経済団体と積極的にMOUを結ぶなど、信頼性の高いネットワークを持つ。また、企業単独では実現の難しい小ロット商品をコンテナに混載し、九州ブランド産品の輸出の支援のほか、通関手続きや販路開拓のバックアップも行なう。
 取組事例としては、13年春に香港で九州産農産物の展示即売を開催。九州産ブランドとして売り込むことで、窓口を一本化でき、輸入業者からも評判を集めた。農産品を集めて大量輸出することでコストを低減することもできるメリットもある。入口から出口まで、プロジェクト方式で成功事例を1つずつ積み重ねている。発足から約1年半の間に、130件を超える支援依頼があった。
所在地:福岡市中央区渡辺通2-1-82 電気ビル共創館6F
TEL:092-761-4262

公益社団法人 福岡貿易会
 1958年に設立された「福岡貿易振興会」が前身。日本が貿易政策として輸出振興による経済発展を目指していた高度成長期に、福岡市および周辺経済圏の貿易関連企業が協力し設立された。その後、73年に「福岡貿易会」と改称し、翌年の74年の法人化を経て「社団法人 福岡貿易会」となった。そして、2013年4月に「公益社団法人 福岡貿易会」に移行している。97年には、福岡市のアジアの交流拠点都市づくりに呼応し、アジア経済交流センターを開設。国際ビジネス情報の窓口となり、地場企業の人材育成支援に取り組んでいる。09年には、中国での地場企業の販路拡大、進出を支援するため上海事務所を設置。
 主な事業は、貿易情報および貿易資料の提供、貿易に関する講演会・懇談会・説明会等の開催、 海外視察団の派遣など。会員数は約300社。63年に、全国に先駆けて韓国へ視察団を派遣。その後、台湾、中国各地、東南アジア、欧米などにも派遣し、現地情報を収集、発信している。また、タイとベトナムに続くチャイナプラスワンを研究するため、07年にインドシナ半島研究会を発足。それをきっかけに会員を中心に10年「福岡・ラオス友好協会」を設立。ラオス人留学生などを招いて、交流会を開催、ラオスの情報を定期的に会員に届けている。
所在地:福岡市博多区博多駅前2-9-28 福岡商工会議所ビル7F
TEL:092-452-0707


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