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「NISA」(ニーサ)に潜むリスクを検証する(13)
経済
2014年1月30日 07:00

 NISA(ニーサ)とは、イギリス人口の約4割が開設しているというIndividual Savings Account (個人貯蓄口座)を手本にした制度で、「日本=Nipponで、ISAを普及定着させたい」という趣旨から「NISA(ニーサ)」と名付けられたものである。
 ISAは低所得者に貯蓄を奨励する目的で、1997年5月に誕生した英国労働党政権のゴードン・ブラウン蔵相が打ち出したもので、99年6月から導入された少額投資を優遇する制度(非課税制度)である。

 日本の個人金融資産は1,600兆円にのぼると見られており、その54%は現預金で、株式(投資信託含む)は12%程度しかなく、これが資金の円滑な循環を妨げているといわれている。
 そのため政府も過去10年以上にわたって「貯蓄から投資へ」を提唱してきたが、途中リーマンショックの影響もあり、全くその効果が出ていない状況が続いていた。

 そのような背景をもって登場したNISAによって、今後証券会社・銀行へどのような影響が出てくるのか、検証することにしたい。

3.証券会社のメリットとデメリットについて
b_6.jpg アベノミクスという追い風とNISAという武器を手に、リーマンショック以降の株価下落で遠のいていた個人顧客を再び呼び戻し、しかも証券会社に縁の薄かった新規顧客を獲得できる絶好のチャンス到来である。しかしその裏返しとして、多くの「にわか投資家」をNISAに引き込もうとするだけに、成果を問われることになる。もし株価下落により多くの個人投資家が損失を出すようなことになれば、かえって証券会社離れを引き起こし、証券業界自体の存立が危ぶまれる事態も予想されるからだ。過去の歴史から見ても、一時期この世の春を謳歌した住宅専門会社しかり、消費者金融も今は銀行の傘下に入っているという現実がある。
 今回導入されることになったNISAでは、銀行は株式投資信託の取り扱いしかできないが、その分、株価下落にともなう顧客とのトラブルは少なくて済むことになる。銀行業界から見れば、預金の取り崩しの影響はあるかもしれない。しかし、「日銀の金融緩和によってこれだけ金利が下がった状況だからといって、どこにでも貸せば良いということにはならない」との意識が強い。それと共に「これ以上預金が集まっても運用先に困るし、融資を増やして不良債権を増加させるようなことはしたくない」という考えから、「今はNISA がどうなるのかを静観しておこう」というのが本音なのかもしれない。

 いずれにせよ株価が順調に推移し、NISAによって個人投資家と証券会社とが共に、「Win-Win」であれば業界は一層の発展を遂げることができるが、もしそうならなかった場合には、銀行業界が証券業界を飲み込む可能性さえ出てくることになる。そう考えると、「NISA」は証券会社にとって大きなメリットがある反面、大きなリスクが潜んでいると言えるのかもしれない。

(つづく)
【北山 譲】

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