2024年04月20日( 土 )

東ヨーロッパには何があるのだろう(13)

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典型的な観光地「トラカイ島城」

 杉原記念館を後に、次は「トラカイ島城」へ向かう。

城には木製の橋で渡る<

城には木製の橋で渡る

城の近くには民間駐車場がたくさんある<

城の近くには民間駐車場がたくさんある

 「トラカイ島城」は、さすがに有名な観光地だけに、城に近づくと道路時の至るところに民間駐車場がある。ここ福岡でたとえれば、いわば太宰府天満宮のようなものだ。湖の中の島にある城に入るには、木製の長い橋を渡らなければならない。

ガルヴェ湖に浮かぶトラカイ島城<

ガルヴェ湖に浮かぶトラカイ島城

貸しボートやヨットを楽しむ人も少なくない。テーブル付きの観光ボートもある<

貸しボートやヨットを楽しむ人も少なくない。テーブル付きの観光ボートもある

 橋を渡るといよいよ城内だ。ロマンティックな湖上の城閣というイメージに反して、その広場には公開処刑のためのギロチン、手枷、足枷、首枷付きの檻状の刑具が復元してある。ここは、あくまで戦いの施設だったのだ。下は、鎖帷子と当時の武具。盾の突起は、攻撃用途も兼ねる。

トラカイ島城の中庭には復元された処刑用具がある<

トラカイ島城の中庭には復元された処刑用具がある

奥が城郭。左側の建物には家臣団の住居があったらしい<

奥が城郭。左側の建物には家臣団の住居があったらしい

 そのトラカイ島城だが、城の防衛のために15世紀、城主ヴィタウタスはクリミアから「カライメ」というトルコ系の傭兵を400家族連れてきた。彼らは、忠誠心に厚い勇敢な兵士として働き、後年、その子孫は優秀な庭師の顔を持ったという。

 この地には、その子孫が今でも200人くらい住んでいるという。言葉も生活習慣も違う彼らの家の特徴は、窓が3つある住宅だ。彼らの宗旨は、ユダヤ教カラメイ派。3つの窓は、1つは神のため、もう1つは家族、そして3つ目は主君のためだという。

鎧の下に着込む鎖帷子。重い鎧に装甲を施した馬、長槍。中世の戦いは見るからに重装備だ<

鎧の下に着込む鎖帷子

右は武具で盾は攻撃兼用<

重い鎧に装甲を施した馬、長槍。中世の戦いは見るからに重装備だ。右は武具で盾は攻守兼用

(つづく)

<プロフィール>
101104_kanbe神戸 彲(かんべ・みずち)
1947年生まれ、宮崎県出身。74年寿屋入社、えじまや社長、ハロー専務などを経て、2003年ハローデイに入社。取締役、常務を経て、09年に同社を退社。10年1月に(株)ハイマートの顧問に就任し、同5月に代表取締役社長に就任。流通コンサルタント業「スーパーマーケットプランニング未来」の代表を経て、現在は流通アナリスト。

 
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