入園のしおり改定、当日キャンセル不可に泣く母親たち

　４月に入り、福岡市のとある認可外保育園（以下、A園）で「入園のしおり」が改定された。A園に息子を預けているシングルマザーの花子（仮名）は、配布されたお知らせを見てため息を漏らす。「どうしよう」。

　花子が最もショックを受けたのが、A園規約にある「予約締切・予約変更等について」の変更だった。これまでA園では「当日変更・キャンセル」が可能だった。自営業者で、業種柄日々の来客数が不透明な花子にとって、当日の保護者の状況に応じることができるA園のサービスは非常にありがたいものだった。しかし、新年度から変更・キャンセルがある場合は、予約日の３日前までに申し出なければならい。
　また、料金の支払い方法も変わった。これまで銀行口座からの引き落としによる支払いが可能だった延長保育料の支払いは、新年度から現金払いのみの受付となる。

　花子は保育園を変えることも視野に入れているようだが、息子のことを考えると決断に迷いが生じるようだ。「A園の先生やお友達にも慣れてきて、楽しそうにしている本人を見ると、親の都合だけで別のところへとは言いづらいです」。

　A園としては、堅実な保育園運営に向けての決定だが、母親たち――とりわけ、シングルマザーたちにとっては、新たな悩みの種となっているようだ。

【島野　元太郎】