2024年03月29日( 金 )

独自システム構築で業務効率を改善へ~(株)グッデイ(中)

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(株)グッデイ 代表取締役社長 柳瀬 隆志 氏

業務の効率化、円滑化を進め、データに興味を持つ人材を育てる

 ――本部と現場とのコミュニケーションが円滑になりそうですね。

 柳瀬 今までは店長やバイヤーなどが経験と勘、商談ベースで仕事をしていました。私は、以前からこのようなやり方を改善したいと思っていましたが、システムにコストをかける余裕がありませんでした。TableauのライセンスはPC1台あたり10万円ほどです。小売業でシステムを構築すると、昔は帳票作成だけでも数百万円かかりましたから、かなりの経費削減となっていますね。

 ――Tableauを公開された際の取組先の反応はいかがですか。

 柳瀬 大手のメーカーさんであれば、自社でデータ分析をされる担当の方がおられると思いますが、地場の中小メーカーさんや問屋さんは予算的にそのような余裕はないと思います。しかし、弊社のデータを活用することで、大手しかできなかったデータ分析が地場の中小企業でも活用できますので、喜んでいただいている取組先は多いと思います。

 ――地場の中小のホームセンターで、このような取り組みを行っているところはあまりありません。社内での浸透具合はいかがですか。

 柳瀬 社内において、データを元に仕事を進めていこうとする意識は日々高くなっていると思います。現状はPOSデータの分析ですが、それ以外のデータなどをTableauで分析できるようになれば、面白いデータが出てくるかもしれません。しかし、データ分析はできるようになりましたが、まだ業務には至っていません。今後は、「業務をどう変えていくか?」と考え方を変えていきたいと思います。Tableauは社内でも広まってきました。これを使って、データ分析に関心を持つ社員を1人でも増やすことが目標ですね。

コストは約10分の1 食品スーパーも関心

 ――データ活用支援事業は開始早々、問い合わせが多かったようですね。

 柳瀬 おかげさまで発表後、食品スーパーをはじめ、さまざまなところからお問い合わせをいただいています。同社のデータを活用することで、従来よりも約10分の1のコスト(当社比)で使えることに関心を持っていただいているのかと思います。

 ――自社のノウハウを他社にも提供するということは、なかなかできないことだと思います。

 柳瀬 小売業はホームセンターに限らず、人手が不足しています。業務を効率化することは、小売業の未来にとってもプラスになると考えます。まだまだ成果は残せていませんが、システムを効率化することで、働き方改革を浸透させていきたいと思っています。集計作業を手入力で行っている企業には時間の削減となります。今まで費用がかかりすぎて手を出せなかった企業も導入できます。

 弊社は、私の祖父が立ち上げて、今年で68年になります。私が物心ついたときは家電屋で、私もいずれは「家電屋を継ぐだろうな」と思っていました。すると父(現会長・柳瀬真澄氏)が30年ほど前に、ホームセンターに業態変更しました。それぞれの代で何かに特化した仕事をしていますので、私はシステムに力を入れてやっていこうと思い、このような事業を立ち上げました。これは1つの挑戦ですね。

 ――なるほど。システムは今後も小売業界内で話題となるかもしれませんね。

(つづく)
【矢野 寛之】

<COMPANY INFORMATION>
代 表:柳瀬 隆志
所在地:福岡県筑紫郡那珂川町松木2-61
設 立:1950年2月
資本金:5,000万円
売上高:(16/3)324億4,600万円

<プロフィール>
柳瀬 隆志(やなせ・たかし)
1976年、福岡県生まれ。95年、久留米大学附設高校卒業後、東京大学経済学部に進学。大学時代はボート部に所属した。大卒後、三井物産に入社。2008年に嘉穂無線(株)(現・(株)グッデイ)に入社後、1年間の店舗勤務、営業本部長、副社長などを経て、16年6月に同社の社長に就任した。

 
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