2024年04月18日( 木 )

九州地銀の17年9月期(中間)決算を検証する(3)

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 日銀が昨年1月29日にマイナス金利導政策を発表。16年9月(中間)期の決算はその影響が大きく出たが、今年は増加に転じている。【別表1】の「当期(中間)純利益順位表」を見ていただきたい。

1.当期純利益順位表

表から見えるもの

◆九州地銀(18行)の15/9月期の当期純利益は928億6,000万円だったが、16/9月期は752億8,200万円となり、前年比▲175億7,800万円と大幅に減少していた。
 しかし17/9月期は前年比167億1,700万円の919億9,900万円(10.7%増)となり、ほぼ前々期の水準に戻ったが、そのうちの6割は西日本シティ銀行の増益によるもので、前年比マイナスの銀行は5行あり、先行きは明るいとはいえないようだ。

◆第1位は西日本シティ銀行で247億5,800万円(前年比+101億9,900万円)。福岡銀行は225億3,200万円(前年比▲30億8,300万円)となり、初めて第2位に転落している。

◆第3位から第7位も変動があった。昨年4月に発生した熊本地震の影響を受けた肥後銀行は、16/9月期は51億7,800万円(前年比▲40億3,700万円)となり、おなじグループの鹿児島銀行(56億3,100万円)と大分銀行(52億7,300万円)に抜かれ第5位に転落していた。
 しかし17/9月期は77億86百万円(前年比26億800万円)と大幅に改善。甲斐 隆博肥後銀行頭取(兼九州FG会長)は、第4位鹿児島銀行、第5位大分銀行となり、定番の第3位に戻ったことから、溜飲を下げているのではないだろうか。

・第6位は親和銀行で50億2,000万円(前年比+9億9,200万円)。宮崎銀行は40億4,200万円(前年比▲5億4,900万円)となり、その座を明け渡した。

◆第8位は十八銀行で順位変動は無かった。しかしふくおかFGとの経営統合が無期延期となった影響を受けて、32億500万円(前年比▲5億8,400万円)。合併予定だった親和銀行が増加したのに対して、明暗を分けたようだ。

◆第9位は熊本銀行。昨年九州地銀18行のなかでただ一行だけ▲12億6,700万円の赤字だったが、26億1,400万円(前年比+38億8,100万円)と黒字に転換し、元の座に復帰している。

・第10位から第14位までは変動は無かったが、第15位以下は変動があり、最下位は佐賀共栄銀行の3億6,300万円(前年比+5,100万円)だった。
2.経常収益・経常利益について

◆銀行の経常収益は企業の売上高に当たる。九州地銀18行のうち、11行が前年比減収となっている。また経常利益も7行が前年比マイナスとなっており、随所に日銀のマイナス金利政策の影響が見られるようだ。

(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】

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