2024年05月12日( 日 )

今の仕事に資格は必要なのか

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(株)建設技術者養成センター
坂口 智美 代表

 「実務経験があれば、資格は必要ないのでは?」―最近、企業訪問の際などによく聞かれる質問です。ただ取得するだけで仕事に生かさないなら、時間とお金の無駄になります。それなら実務経験に時間を費やし、キャリアを積んだほうが良いともいえます。ですが、「資格より実務経験」が真実だとしても、それが「資格取得は無意味」ということにはなりません。資格の意味というのは、「資格取得後にどうしたいのか」が重要なのです。

 ここで、当センターで資格を取得した、女性技術者の事例を紹介してみましょう。1人目は、1級建設機械施工技士を取得したシングルマザーの方です。現在、現場代理人兼主任技術者として活躍し、資格手当3万円を始めとした手当をもらっています。2人目は、1級土木および建築施工管理技士を取得した、4人の子どもをもつ女性です。彼女は現場代理人兼監理技術者として活躍し、資格手当5万円を始めとした手当をもらっています。3人目は、1級土木施工管理技士を取得したシングルマザーの方で、主任技術者として活躍し、資格手当5万円をもらっています。また彼女は現在、1級建築施工管理技士の学科試験を合格し、実地講習を受講中です。いずれの方も、資格を取得することで、責任ある立場に就いたり、自身の給料アップにつながったりしています。

 日本は「資格社会」といわれるほど、たくさんの資格があります。もちろん、資格がないとできない仕事もありますが、大抵の仕事は資格がなくてもできます。では、企業側は、なぜ人材募集の際に有資格者を希望するのでしょうか。

 まず、有資格者は「努力家」「真面目」といった好印象を与えます。評価の際も、「経験+資格」>「経験のみ」>「資格のみ」>「どちらもなし」の順で評価されます。そして企業側としては、資格を取得するために人より努力することを惜しまない人材にこそ、責任のある立場・重要なプロジェクトマネージャーなどを任せたい、という思惑があるからです。もちろんそうした人材については、企業側は高待遇・高収入で迎え入れることでしょう。

 今回、具体例では女性の技術者をご紹介しましたが、もちろん若年層の技術者にも、男性の技術者にも当てはまります。いつまでも同じことの繰り返しでは、給料などの待遇面も含めて、現状維持のままなのは当然です。長く勤めたからといって、それだけで給料が上がる時代ではありません。自身の待遇や収入をアップさせるためにも、選んだ仕事で最大限活用できる資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。

2018年度
2級施工管理技士の願書
(学科・実地)受付
※年齢などの受験資格制限なし
○土木:7月9日~23日
○建築・電気:7月6日~20日
○管・造園:7月17日~31日

2種電気工事士の願書
○受付:7月9日~23日

<プロフィール>
坂口 智美(さかぐち・ともみ)
(株)建設技術者養成センター 代表取締役
1972年生まれ、福岡県出身。学卒後、建設業界へ。建設従事者からの「国家資格は、独学ではなかなか合格できない」という声がきっかけとなり、2001年に工事監理技術者養成センターを大阪で設立。主に出張講習を全国展開し、14年には拠点を福岡(本社)と沖縄(営業所)に移し、社名を(株)建設技術者養成センターに変更。同センターは、生講義で行うことにこだわり、受講生の合格率は90%を超える。

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