「FUKUOKA growth next」も始動、勢いづく旧大名小学校跡地再開発(後)
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――スタートアップカフェとの役割分担としては、スタートアップカフェではゼロからの起業の部分を支援し、「FUKUOKA growth next」ではその後の成長を支援していくようなイメージでしょうか。
油井 考え方としては言われたように、起業前から創業、そしてシード期はスタートアップカフェさんが担って、それ以降を「FUKUOKA growth next」でスタートアップのステージを引き上げていくというイメージが近いですね。ただ、あまり境目を考えずに、同一施設内での強固な連携のもとに、施設全体でフォローしていければと思っています。
――今回、入居するスタートアップの募集に対しては、何件くらいの応募がありましたか。
泉 「チームルーム」(個室)に対しては123件のエントリーがありました。選定基準については、「新規性」「独自性」「市場性」「具現性」「雇用拡大可能性」「経営者資質」などを総合的に審査していき、書類選考を経て面接を行い、最終決定を行いました。
――「福岡デザインハブ」と「エンジニアラボ福岡」が併設されますが、デザイナーなりエンジニアのスキルがない方が起業しようとした場合、こちらでマッチングの手助けもされるわけですか。
油井 そうですね。積極的にというよりは、アントレプレナーが欲していて、デザイナーなどもスタートアップにジョインしたいという状況、もしくはスキルなどの凹凸が合うのであれば、マッチングしていければと思っています。基本的には、施設内で行われているものはすべてミックスし、適切なところをつなげていくということをやっていきたいと思っています。
――「FUKUOKA growth next」は期間限定での運営と聞いていますが、期間終了後についてはいかがですか。
泉 まだ決まってはいませんが、希望としては「FUKUOKA growth next」として継続していきたいという気持ちはありますね。
池田 逆に、残してほしいという声があれば、それは成功だと思います。1年半というのは我々に課せられた期間ですので、その間は精一杯やりきりますが、期間終了後にも「これは残したい」と思ってもらえるようなものをつくっていくのが使命だと思っています。
――最後に、今後は旧大名小学校跡地再開発の動きが順次進んでいきますが、周辺エリアも含めてのまちづくりに対しての思いがあれば、語ってください。
池田 旧大名小学校跡地は、天神ビッグバンの一角に入っています。今回、我々福岡地所が天神ビッグバンの第1号「天神ビジネスセンタープロジェクト」をさせていただくこともありますし、会社として注目しているのは間違いありません。やはり大名という場所は、オフィスの一等地とは異なる性質を持った場所だと思います。この地を今後開発し、新しい価値をつくり上げることが我々の仕事だと思います。
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4月12日に行われた「FUKUOKA growth next」のオープニングセレモニーでは、福岡市の高島宗一郎市長が登壇。「たくさんの人が集まり、化学反応を起こすことができるさまざまな仕掛けが、この校舎いっぱいに詰まっています。これからみんなで新しい時代を、そしてチャレンジが尊敬される、評価されるようなまちを一緒につくっていきましょう」と、「FUKUOKA growth next」への期待を込めた挨拶を行った。また同日にはオープニングパーティーも開催され、各フロア・スペースに分かれてパネルディスカッションや対談などさまざまなイベントが実施。盛況のうちにオープン初日を終えた。
今後は、1年半という期間限定ながら、独自のスタートアップ支援システムによる雇用創出や地域経済の発展への貢献に、多くの期待が寄せられている「FUKUOKA growth next」。その後に控えた本格的な旧大名小学校跡地再開発の事業着手も含めて、しばらくはこの大名エリアの動向から目が離せそうにない。(了)
【坂田 憲治】法人名
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