2024年05月15日( 水 )

長崎3区など衆議院3補選、自民全敗 投票率いずれも過去最低

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 東京15区、島根1区、長崎3区の衆議院の3つの補欠選挙が28日、投開票された。自民党は、東京15区・長崎3区の2選挙区は候補者を擁立せず、唯一候補を立てた島根1区を落として、全ての小選挙区で実質的な敗北を喫した。また衆議院3補選の投票率は、東京15区、島根1区、長崎3区いずれも過去最低となった。

 立憲民主党は東京15区で新人が当選し、島根1区と長崎3区でそれぞれ元職が当選した。

 3補選はいずれも、自民党派閥政治資金の問題が取り沙汰された同党議員の辞職・死去に伴うもの。今回の結果は、自民党の旧態依然とした体質や、岸田政権に対する批判が民意として示された形となる。

 最も注目された東京15区は、公職選挙法違反(買収など)事件で柿沢未途前法務副大臣(自民離党)が議員辞職したことに伴い実施された。

 9人が乱立する選挙となったが、立憲新人で元東京都江東区議の酒井菜摘氏が、無所属新人の須藤元気氏、日本維新の会新人の金沢結衣氏、日本保守党で新人の飯山陽氏、小池百合子都知事が支援し、国民民主党が推薦した無所属新人の乙武洋匡氏らを破り、初当選した。

 島根1区は、細田博之前衆議院議長(自民)の死去を受けて実施され、立憲元職の亀井亜紀子氏が自民新人で元中国財務局長の錦織功政氏との一騎打ちを制した。

 保守王国である島根は、自民党が強い地盤だが、細田前議長の出身派閥「清和政策研究会」(安倍派)の政治資金問題だけでなく、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との関係、セクハラ問題などが取りざたされたことが敗北の大きな要因とみられる。

 長崎3区は、政治資金問題を受けた谷川弥一氏(自民離党)の辞職による。立憲前職の山田勝彦氏が、維新新人の井上翔一朗氏を破った。

 東京15区・長崎3区は、自民党が候補を擁立しなかったが、島根1区で惨敗したことで、岸田首相では来る衆議院・解散総選挙は戦えないとの声が党内に広がることは必至で、岸田首相による衆議院解散権行使が封じられるとの見方が永田町関係者には少なくない。

 一方、投票率は、いずれの選挙区も過去最低となった。東京15区の投票率は40.70%で、これまで最低だった2017年の55.59%を大幅に下回った。島根1区の投票率は、54.62%で、14年の57.94%より下がり、過去最低となった。長崎3区の投票率は35.45%で、これまで最低だった14年の51.58%を大幅に下回る結果となった。

【近藤 将勝】

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