2024年04月26日( 金 )

祝B2昇格、次なるステージでさらなる飛躍を

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ライジングゼファーフクオカ

 福岡のプロバスケットボールチーム「ライジングゼファーフクオカ」は5月10日、来シーズンのBリーグのB2昇格を決めた。2016-17シーズンは、BリーグのB3に参戦。46勝6敗でB3初代王者に輝き、リーグの理事会において満場一致でのB2昇格が決定した。前シーズンの総括とB2での闘いに向けて、運営会社である福岡プロバスケットボールクラブ㈱の代表取締役社長の長尾洋二氏と、ヘッドコーチの堀健太郎氏に話を聞いた。

チームとファンが一体に

 ──2016-17シーズンの王者、そしてB2昇格、おめでとうございます。16-17シーズンを振り返っての、率直な心境をお聞かせください。

 長尾氏(以下、長尾) ありがとうございます。2016年7月にライジングゼファーフクオカの代表に就任し、福岡県バスケットボール協会や福岡県をはじめとした行政関係との関係構築と連携というミッションに邁進してきました。おかげさまで、協会および行政との良好な関係をつくり上げることができましたし、「ライジングゼファーフクオカを応援・支援しよう」という機運も高まって、シーズンを通して多大なご支援をいただけました。この良好な関係を構築できつつあることは、私の16-17シーズンの最も大きな収穫でありました。また、シーズン当初にB2で戦えるレベルのプレイヤーが入団し、「B3で勝って当然」という下馬評のなか、その「勝って当然」の難しさを痛感しました。プレッシャーのなか、プレイヤーとコーチングスタッフ、そしてフロントスタッフが一丸となってのB3初代王者、最短でのB2昇格は評価できるものです。皆の頑張りがあったからこそです。

左からヘッドコーチの堀健太郎氏、代表取締役社長の長尾洋二氏

 堀氏(以下、掘) 紆余曲折がありながらも、我々が目指したゴールを達成できたことは、素直に嬉しいです。「勝って当然、チャンピオンになって当たり前」という雰囲気のなかでシーズンを戦い、プレイヤー、スタッフらが全力を尽くしたこと、そしてスポンサーやブースター(熱狂的なファンのこと)の皆さんが全力で支えてくださった賜物であると確信しています。皆さんに、心からの感謝の意を表したいです。街中に掲げられているライジングゼファーフクオカのポスターやのぼりが増えてきていて、皆さんに支えていただいているという実感が湧いています。
 もちろん、プレイヤーが全身全霊、勝利のために尽くしたこともありますが、チームのスタッフ全員の尽力、そしてスポンサー、ブースターの皆さんのご支援があってのB2昇格だったと思います。まさに、福岡が一丸となって勝ち取ったチャンピオンです。

 ──堀ヘッドコーチがおっしゃった“福岡が一丸となって”について、長尾社長はどうお考えでしょうか。

 長尾 我々は、福岡県全体の市民球団、地域球団として皆さんに愛されるチームをつくり上げることが目標です。そのため、まずはライジングゼファーフクオカのチームが一丸になろうと皆で確認し、協会や行政など福岡県全体で支援しようというなかでスタートしました。今は「福岡県の皆で支えよう、支援しよう」という声が高まりつつあることを実感しています。
 そうしてチーム一丸となって活動するなかで、日本のバスケットボールのチームとしては初めて、「人権擁護功労賞」の表彰を16年度に法務省から受けました。これは人権とスポーツというテーマで、県内の各小中学校の体育館などで子どもたちや指導者、保護者を対象として、バスケットボールを通じてのスポーツ教室を開催してきたことが評価されたものです。この活動も県との連携によって実施していたもので、前身のライジング福岡の時代より続けており、シーズン中に100回ほど開催させていただきました。この表彰もB3初代王者、B2昇格と同様に、チーム全員の誇りです。
 ほかに、マスコミ関連の皆さまにはB3にもかかわらず、数多く取材・報道していただきました。スポンサーも前年比240%と大幅に増加し、本当に一丸となって支えていただいていることに感謝しております。

 ──堀ヘッドコーチのなかで、一丸となるために大切にされていることをお聞かせください。

 堀 やはり、ブースターの皆さんに、勝ちゲームを披露できることが一番だと思います。おかげさまで勝ちゲームを数多くお見せできたことは、とても嬉しいことです。
 バスケットボール教室では、「ライジングゼファーが勝って、とても嬉しい。将来はライジングゼファーに入団してプロになりたい」というメッセージを数多くもらいました。次世代を担う方々が我々のチームを好きになってくれて、そして将来はプロを目指してくれるということは、バスケットボール界にとっても本当に嬉しいことです。そのようなメッセージをプレイヤーはしっかりと受け止めて、プロとしての行動・言動を行わねばなりません。プロとして優れたプレーをお見せすることはもちろんのこと、ブースターの方々への立ち振る舞い、そして社会人としての自覚ある行動が何よりも大切です。たとえば、目の前のゴミを拾う、相手をリスペクトするなど、目に見えにくいことを誠実に実践しているプレイヤーは一流です。私は、皆が見ているところではもちろんのこと、誰も見ていないところでも人として誠実に行動・言動しているプレイヤーこそ一流であると思っています。

最短でB1へ昇格する

 ──最後に、17-18シーズンに向けての意気込みをお聞かせください。

 長尾 1年でB1に昇格することが最大の目標です。B2のレベルは想像以上です。今後、補強を含めた編成を行っていきます。
 そしてもう1つは、経営の安定化です。おかげさまでたくさんのスポンサー、ブースターの皆さんよりご支援をいただいておりますが、まだ道半ばでようやく進み始めたところです。プロのチームとして収入源をしっかり確保し、増やしていくこと──チケット、グッズ、そしてスポンサー、さらにはスクール事業を発展させるなど、総合的な営業展開を積極的に実践していきます。後援会組織の立ち上げも検討中です。
 福岡は「バスケ王国」といわれていますが、我々がそれをリードして、バスケットボールを通じて地域活性化の一助となり、地域の財産となっていきたいと思います。

 堀 最短でのB1昇格を目指します。プレイヤーには、自らを捧げる、役割を全うする、お互いを認めリスペクトする、泥臭くハードワークすることを求めます。その前提あってのトレーニングであり、ゲームの戦法、作戦です。私のフィロソフィーは、“自分が変わる”です。プロのプレイヤーそしてコーチとして、変化し進化していきます。

【河原 清明】

 

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