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全国太陽光発電推進協議会の会長として―自民・原田義昭代議士
政治
2013年2月 7日 07:00
原田 義昭 衆議院議員 インタビュー(後編)

 約3年3カ月を経て国政へと復帰した原田議員は、その間、(社)全国太陽光発電推進協議会の会長として、太陽光発電の普及に取り組んでいた。福島第一原発事故以来、再生可能エネルギーへの関心が高まり、太陽光発電所が増えつつあるが、その普及拡大の礎を築くことに貢献したと言える。後編は、エネルギー政策への取り組みなど新政権の政治課題について訊ねた。

<「花も実も根の力」>
 ――太陽光発電への取り組みについて聞かせて下さい。

harada2.jpg 原田義昭衆議院議員(以下、原田) 太陽光発電は、一昨年の東日本大震災に伴い発生した福島第一原発事故を受けて、原発に代わる自然エネルギーとして急速に普及しています。今や雨後のたけのこ状態ですが、私は落選後に社会的な活動を始めるにあたり、通産省エネルギー庁出身ということもあり、太陽光発電の普及に取り組むことにしました。全国太陽光発電推進協議会の会長に就いたのは東日本震災の約1年前になります。
 太陽光、風力、地熱など、もともと再生可能エネルギーの必要性は言われていましたが、震災前に比べてその声ははるかに大きくなりました。太陽光発電にかかるコストは非常に高いものですから、今、1kwあたり42円の買取価格など、補助金がついています。これはある意味、国民に負担させるわけです。しかし、必要なものですから、国家・社会がバックアップしないといけません。協議会では、情報収集や事業者の紹介などを行なっています。関わった企業は多く、そのうち福岡県では、東峰村に2万kwのメガソーラーが4月に発電開始します。

 ――原発も含めたエネルギー政策については?

 原田 原発の扱いが民主党政権は酷すぎました。慌てて「ダメ」とか言うのではなく、2、3年、じっくり見通しを見ながら判断しないといけない。「(民主党政権では)2030年までにCO2削減などで原発を50%にする」と言っていたのが、原発事故が起きると「ゼロにする」と言い出した。政治家たるもの、現実をしっかり受け止め、責任ある発言をすべきです。
私も太陽光発電を一生懸命やっていますが、エネ庁時代に原子力を1年担当しています。(原発は)本当の意味で理想のエネルギーです。しかし、利益の裏には管理が問われます。ただ、ポピュリズムで、不安をあおって投票行為に結びつけるような政治では、本当に国をダメにすると思います。私は、原発依存度を少しずつ下げて、再生エネルギーに変えていくべきと考えます。
 今回の選挙結果を見ると、エネルギー政策において、国民の皆さまは正しい判断をされたと思っています。(原発は)危ないと言えば危ない。しかし、危ないものを乗り越えて人類は発展してきました。

 ――震災復興をはじめ、新政権の政治課題は山積しています。

 原田 民主党政権が稚拙だったから問題を顕在化させたのです。その分、安倍政権としては問題を絞りやすく、まだ何もしていないのに、日経平均株価が上がり、円高が是正され始めたのだと思います。
 私は、復興が進んでいない理由には2つあると思っていまして、1つは、阪神淡路大震災に比べて規模が全然違うこと。東日本大震災は、3県以上に被害が拡大していて、統一でやろうとすれば極めて複雑です。もう1つは、複雑な行政をガバナンスする政治、これが民主党政権にできていなかった。まず、中央の行政(総務省、国公省など)、そして都道府県・市町村、経済団体や社会団体をそれぞれしっかり抑えないといけません。しかし、民主党は「政治主導」と言って官僚を排除した。それも極めて稚拙な格好で――。

 ――中央のガバナンス能力が低下した一方、地方首長が国政に進出するという動きが見られます。

 原田 主張や思想を新しい時代に向けて発信するのはいいでしょう。ただし、国民の皆さまに対して1日も止めてはならない行政のなかで、高邁な思想と現実を調整して「結果よし」とすることが実際の政治です。やはり、本当の意味で『政治家』になるには訓練期間が必要です。誠実一路、百術は一誠にしかず、どんな手段よりも誠をつくす以外に勝るものはありません。そして、花も実も根の力。花が咲き、実がなるのも根がしっかりと張っているからなのです。

(了)
【聞き手・文:山下 康太】

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