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流した汗が報われる社会へ(後)~衆議院議員 鬼木 誠 氏
政治
2013年2月24日 07:00
衆議院議員 鬼木 誠 氏

<働くことへのインセンティブを>
 ――鬼木議員は「流した汗が報われる社会へ」というキャッチフレーズを掲げました。

 鬼木 これはもうまさに私の訴えの第一です。社会主義的な政策を連発した民主党政権へのアンチテーゼですね。働かない人が得をして、働いた人が損をする。そんな税制、法律、社会保障を改めなければならない。そのことについて、国民の皆様に考えていただくための訴えです。
 年金を一所懸命納めて続けるよりも、いきなり生活保護をもらう方が、暮らし向きが良いとなれば誰も納めません。モラルと社会保障が崩壊します。それは、そういう制度を設計し、働かないことへインセンティブを与えている政治の責任です。働くことにインセンティブを与える政治をしなくてはならない。「公正さとは何か」ということのすべてを象徴したのが「流せた汗が報われる社会へ」です。ものすごく一所懸命働いているのに給料が減り、国民から叩かれる、という公務員の方たちの立場も代弁しています。

 国家公務員、地方公務員に限らず、警察・自衛隊、私は(福岡県議会で)警察委員長を務めさせていただきましたが、時には命がけで国民を守る警察官が、国民から悪態をつかれる、守っているはずの人たちから罵倒される、新聞には「警察官、また不祥事」と悪いことばかり書かれる。一部を全体のようにとらえて叩かれれば「報われないね...」となります。自衛隊もそうです。本当に命がけで国民を守っている人たちが大事にされている国なのか、そう言う意味も込められています。感じられる人には感じられるはずです。
 私は、2年前(2011年)の福岡県議選から、このキャッチフレーズを使っています。基本的な私の、10年間県議をやってきた私の政治信条として打ち出しているわけです。とくに民主党政権へのアンチテーゼ、「税金を納めた人よりも税金を納めない人が豊かに暮らせるなんておかしくないか」として。

 ――民主党政権は諸政策で丸投げが多く、地方自治体の混乱を感じていました。現状では、地方の実情を国にしっかりあげていく役割も重要だと思います。

 鬼木 一事が万事、とにかく政権担当能力がなかった。「政治主導」というのも尽く断片的な思いつきで、いきなり政府で「実行する」と言うわけです。首相がいきなり発表したり、断片的に正しそうなことをいきなり「やります」と言ったりするわけですから、現場は大混乱です。

<「アベノミクス」の課題>
 ――総選挙の取材のなかで、有権者の「国会議員が何をしているのか見えない」という声を少なからず聞きました。議員としてすでにどのような活動を行なったか、教えてください。

oniki.jpg 鬼木 私はさっそく、1月7日から始まった自民党の税制調査会で、自動車税すなわち自動車重量税と自動車取得税の廃止についての議論に参加しました。自動車業界のロビー議員が賛成を主張するなか、私は手を挙げて減税(廃止)に反対し、「(自動車税で集まる分のうち)約5,000億円は地方の財源である。今、国が地方にわたさなければならない地方交付税は『臨時財政対策債』となり、地方は借金をして工面している。いわば、仕送りできなくなった親が子どもにクレジットカードを持たせている状況だ。ここでさらに約5,000億円の財源をバッサリ切って、代わりに地方にわたす財源はあるのですか」「すでに実施されている『エコカー減税』で、自動車税が減免されるからエコカーが売れている。ここで両税を廃止すれば、エコカーが売れなくなり、環境面にマイナスを与えるインセンティブとなる」などと発言をしました。さらに、「これから国土強靭化で、道路・トンネル・橋梁の補修メンテナンスをやっていくが、自動車取得税は地方の道路をつくる財源であり、受益者負担の財源、つまり『車に乗って道路を使う人が道路を直すためのお金を払う』といった財源である。受益者負担の税がなくなり、一般国民が負担する消費税が上がる。この減税は矛盾だらけだ」と言いました。その後、減税への反対意見が続き、結局、幹部預かり(※2)となりました。

 ――政治家として、国会議員になってから物の見方は変わりましたか。

 鬼木 いや、基本は同じですね。県議時代から持ち続けてきた問題意識を国政にぶつけようと思っています。やはり、内需産業が本当に傷ついている。商店街、小売業、建設・土木、医療・社会保障関係、保育・幼稚園など、民主党政権のなかで不安を抱えていました。内需産業を大事にする一方、貿易立国・日本の外需産業はどうでもいいのかと、まさにTPPの話になりますが、そうした対立構図ではなく、まずは円高対策をするべきです。そこで相当程度、問題が解決します。一気に黒字化しますから、TPPの前に。そのための「アベノミクス」です。

 ――まだ、「アベノミクス」という言葉だけが走っているように感じますが、いろいろな課題があるなかで、鬼木議員はどのように考えていますか。

 鬼木 私は、新自由主義は嫌いです。基本は、円の供給量を増やし、復興やインフラの補修・保全などインフラの公共工事でお金を回す、というのは間違っていないと思います。問題は、その財源が国債発行であり、長期の負債でつくる以上、長期の資産、つまり国民が長期にわたって使える中身の良いものをつくるというバランスシートの話です。そこでムダなものをつくるから、「バラマキ」批判を受けます。

 ――資産価値がない、誰も使わないインフラをつくらないということですね。それが実在しているからこそ、世論の批判につながっていると思います。最後に、政治姿勢について確認させてください。

 鬼木 基本は「流した汗が報われる社会」をつくっていくことです。「公正さとは何か」を常に追い求める。税制と予算では、誰に何を負担してもらい、何に使うかという議論ですから、日本社会全体を見た「公正さ」が問われます。税金を納めることがばかばかしい国にしてはいけない。働いて税金を納めて良い国をつくると思える政治をしたいと思います。

(了)
【聞き手・文:山下 康太】

※2 その後、2013年度税制改正大綱において、自動車取得税を消費税の10%引き上げ時に廃止することが盛り込まれた。

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<プロフィール>
oniki_pr.jpg鬼木 誠(おにき・まこと)
1972年10月生まれ。福岡市立当仁中学校、私立ラ・サール学園高校、九州大学法学部を卒業し、95年に西日本銀行(現・西日本シティ銀行)入社。2003年4月、福岡県議会議員に初当選。07年、11年と再選される。県議会時代は11年から12年11月末まで警察委員長を務めた。12年12月16日、衆議院議員総選挙で初当選。現在1期目。


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