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小沢一郎は、天命がつくった貴重な日本政治の「有精卵」である!(中)
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2013年7月10日 07:00

日本一新の会代表、元参議院議員 平野 貞夫 氏

<定数480議席で、与党398議席の現実!>
 ――「デモクラシー」(民主主義)が機能しなくなったとよく言われます。どういうことでしょうか。

 平野貞夫氏(以下、平野) 資本主義は変質して、崩壊へ向かっています。卑近な例で言えば、デフレが15年も続けば、もうそれは従来の"デフレ"という概念では説明できません。デフレやインフレという言葉で経済状況を表現できなくさえなっているのです。

hirano.jpg 私は、衆議院事務局・参議院議員を通じて、今まで50年近く、国内外の「議会制民主主義」を見てきました。その上で、すでに「民主主義は正常に機能しなくなった」と断言できます。

 議会制民主主義には2つの拮抗した政党勢力が必要と考えられてきました。今、日本の衆議院では、自民党は、その補完勢力を含めると、定数480議席の内398議席を占めます。これは問題なのです。

<1%の権力者が99%の資産・資源を独占!>
 しかし、私が申し上げたいのはこの先の問題です。では、議会制民主主義に2つの拮抗した政党勢力が揃えば現代でも、正常に機能するのかというと、そうではないのです。

 「議会制民主主義」が正しく機能するためには、「資本主義」の経済構造が健全であることが絶対条件なのです。例えば、資源(石油等エネルギー)に余裕があること、たとえ排他的な競争をしても世界各国に余力があり、地球の環境がおかしくならないことなど、いくつかの条件を満たしていなければいけません。現在においては、このような条件のどれ1つとっても満たすことができていません。

 今、日本でもアメリカでも、ヨーロッパでも、1%の権力者が99%の資産や資源を握っています。この傾向は、特に、20年、30年前から顕著にみられるようになってきました。

 民主主義では、人間の平等の基準を「機会均等」におきますが、現在は"一定"の「結果平等」(basicincome)にしなければ、社会は機能しません。そのために、小沢氏は、政策的にはセーフティネット「国民1人ひとりの命と暮らしが守られる安心、安定した社会保障の構築」をとても重視しているのです。

<新しい「社会秩序」の構築が急がれる!>
 しかし、この現実を無視して、あたかも"機能している"ように見せている権力者、官僚、TVや大新聞が問題なのです。現在、行われている選挙でも、その影を大きく落しています。

 冷戦終了後、「ポスト冷戦」という言葉ができました。そして、世界経済そのものが「資本主義市場経済」へ取り込まれて、一本化されていきました。しかし、2008年のリーマン・ショックは、ポスト冷戦のもとで世界を支配したマネーゲーム資本主義の敗北を示すものになりました。世界は、「ポスト・ポスト冷戦」の時代に入り、「デモクラシーが正義」から離れ、新たに人間が生きていく「社会秩序」を構築していかなければならない時期が来ています。

 小沢氏が25年前に、この「歴史認識」をできていたことは、まさに慧眼と言えます。因みに、「アベノミクス」は、相変わらず「ポスト冷戦」の経済構造を基盤としており、その意味で砂上の楼閣とも言えるのです。

(つづく)
【金木 亮憲】

≪ (前) | (後) ≫

■日本一新の会について
平野貞夫氏が代表を務める、2010年6月発足の任意団体。「日本一新」とは2000年の総選挙で、当時の自由党党首小沢一郎氏が提唱した運動である。その後、民主党で「共生社会の実現論」に継承され、「国民の生活が第一」という政治目標になり、09年の政権交代を成功させた。現在は、「生活の党」の理念に継承されている。

<プロフィール>
平野貞夫氏
1935年、高知県生まれ。法政大学大学院社会科学研究科政治学専攻修士。衆議院事務局に入局。園田直衆院副議長秘書、前尾繁三郎衆議院議長秘書、委員部長等を歴任。92年衆議院事務局を退職して参議院議員に当選。以降、自民党、新生党、新進党、自由党、民主党と一貫して小沢一郎氏と行動をともにし、小沢氏の「知恵袋」、「懐刀」と呼ばれている。『平成政治20年史』、『小沢一郎完全無罪「特高検察」の犯した7つの大罪』他著書多数。現日本一新の会代表。


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