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メタンハイドレートの理想と現実(2)
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2013年7月 2日 07:00

<世界初のガスの生産に成功>
0701_JOGMEC_2.jpg 今年3月には、愛知県~三重県沖で海洋産出試験が実施され、世界で初めて、海底面下に存在するメタンハイドレートからのガスの生産に成功した。
 このところ、テレビ番組などでもよく報道され、その実用化に向けた期待感は高まっている。果たして、現段階で実用化は現実的だと言えるのか。JOGMECの技術部メタンハイドレート開発課の中塚善博氏(工学博士、メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム環境チームリーダー)は、「第1回の海洋産出試験が終わって、取得してきたデータの解釈を始めたところ。資源になるのかどうか。初めてやってきたことばかりなので、わからないことばかり」と、正直なところを吐露する。まだまだ未知の部分が多い。

<"大物"なのか"外れ"なのか!?>
 現状を野球にたとえるならば、メタンハイドレートには、大衆週刊誌やテレビ番組などで「次代を担う大物打者のホームラン予告」とも取れるほどの報道がされているが、これは期待先行。実際のところ、まだ1打席、第1回海洋産出試験成功というヒットを打っただけで、ホームランバッターなのか、アベレージヒッターなのか、そもそも強打者なのかすらわからない。
 球団がメジャーからスカウトしてきた大物外国人助っ人が、"外れ"で終わるケースがたまにあるように、メタンハイドレートは、資源として、日本のエネルギー分野において活躍できないままに終わる可能性もある。

 中塚氏ら研究者は、「技術基盤」を確立するためにデータ解析に勤しむ。「ガスが出たが、ポンプで引き揚げたときに大量の砂も上がった。なぜ砂が混じったのか。試験で得たそういったデータの1つひとつを解釈していく段階です」。

 メタンハイドレートを資源として成り立たせるべく日夜奮闘しているが、野球同様、日夜素振りを重ね、努力したとしても、実戦では空振りに終わる可能性はもちろんある。

(つづく)
【岩下 昌弘】

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