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トップ保険マンがなぜMBAを求めるのか(5)
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2013年10月 1日 14:08

 MBAとは「Master of Business Administration」の略で、通常「経営学修士号」と訳される。国内では、MBAの学位を取得しても必ずしも給料が上がるわけでもない。出世できるわけでもない。そんななか、『I・B』1870号の特集「MBAの価値を問う」は、あるトップ保険マンがMBA教育の素晴らしさを語ったことから実現した。実際に体験者の話を聞くと、良き手ごたえがあるという意見を多数聞く。特集の取材に当たった2人の記者が、トップ保険マンをはじめとする、志高きビジネスマンがMBAを目指す心理と背景を探る。

<それぞれの強みを活かし縦横無尽に人脈を拡げる>
 記者K 『IB』1870号6ページで述べているように、QBSには「リカレント聴講制度」といって、QBSを卒業しても授業を再受講できるという制度があります。受講料は必要ですが、10年前の修了生でも在校生とともに最新の講義に参加することができるのですよ。

 記者I かなり柔軟なシステムですね。

 記者K この制度が始まったのは昨年からですが、少しでも再受講希望者の負担を軽減させたくて、今年から入学金を不徴収としたそうです。受講費は1科目15コマで3万円。1コマ、だいたい映画1本分ぐらいだと思うと通いやすくなります。グロービスにも、学ぶ人たちの立場を考えて再検討された制度があるそうですね。

MBA所得を目指す学生たちの交流の場 記者I 『IB』1870号8、9ページで書いている部分ですね。グロービスには原則2年休学制度があるのですが、昔は2年間だったのが、学生からの希望を汲んで「海外に転勤になったときには5年」ということに変更されました。海外に転勤になったとき、昔は2年ぐらいで帰国できたのが、今の標準は4年ぐらいになっているそうなのです。そこで5年の休学を認めるようになりました。もちろん休学制度は、親の介護など家庭の事情で休学したいという場合も利用できます。人生様々なライフイベントが訪れるなかで、どんな状況になっても学習を続けられるというのは心強いですね。さらに受講は全国にある校舎のどこででも可能なので、国内での転勤であれば休学することなく学び続けられますし、出張先などでも受講できます。他の校舎にいくと、そこでも知り合いができて人脈が広がるのがいいそうです。例えば九州に住みながら東北で人脈を拡げるという使い方ができます。仕事を全国展開するのであれば、使う人によっていろいろ面白い使い方ができますね。

 記者K グロービスの持ち味である、全国展開をうまく活用したシステムですね。基本的にQBSの場合は、人脈を横に広げるというより、縦との繋がりを強くすることに力を入れているようです。先述のリカレント生制度にも、縦の繋がりを強くしていきたい、という意図があります。先輩が講義に参加すれば、それだけで授業の質も高まりますし、講義での繋がりを通して先輩後輩という縦の繋がりを深めていけば、強力なネットワークが広がるだろうと期待しているのです。また九大にある4つの専門職大学院がコンソーシアムを設立し、相互連携による新たな教育・研修プログラムを展開していたり、すべての九州大学の学生・大学院生を対象とする教育プログラム、九州大学ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センター(以下、QREC)というプログラムも提供しています。ちなみに、前回話題に上ったロジカル・シンキングは、こちらで専門的に学ぶことができるようです。

 記者I 方法は違っても、どちらも人の繋がりを重視していますね。グロービスにも、卒業生が3カ月に1回集まって、現在抱えている悩みを忌憚なく相談し合う相互コーチングの場、「互縁ネット」を設けています。もちろん口外しないという前提つきです。コーチング能力も上がりますし、悩みも解決できるという、面白い仕組みだと思います。

 記者K 自分が困ったときに必ず助けてくれるだろうという、信頼のおける仲間がいるということは、とても心強いことですね。打算ではなく、志を共にして一緒に真剣に学びあった仲間同士なので、一生の財産になると言ってもいい。QBSでは、学外でもそのネットワークを広げたいと、学生主催のビジネスプランコンテストを開催しています。お互いに良い刺激を受け合っているようです。

hiwatasi.jpg 記者I それはいい事ですね。もちろん、共に学び合う人たちは、切磋琢磨しあう良きライバルでもあるわけです。本来、MBAは、起業したい方が取得を目指すものなのでしょう。依存し合うというより、自立した者同士の繋がりであるところが、重要なところです。宿題を提出するときはメーリングリストを活用し、クラスメイトの提出状況が皆に一目瞭然、わかるようになっています。そこでよきライバル意識を刺激され、なおかつ仲間として、提出していない人の心配もできます。一番辛かったことは予習しないで出席したということ、という話も聞きました。

 記者K 企業に長年勤める場合でも、一人ひとりが経営者の意識を持ち、自分も会社を運営している1人なのだという自立心を持つことは大切だと思います。そうなると、会社を成長させるために何ができるのか、何をすべきか、考えるようにもなり、結果として業績も上がるのでは。その意識が高まって独立に至るというのもあるでしょうが、独立しても通用する人材がいるというのは企業としても強みでしょう。
 でも会社内だけで通用するルールだけでは、そのような人材を受け容れることができなくなってしまう。これからの時代、様々な人材を登用、活用していくためにも、スタンダードな経営理念を多くの人たちが知っておくことのメリットは大きいと思います。そしてこれは個人差があるのでしょうが、苦労して習得していくなかで磨かれていく人間力こそが、社会が本当に欲している一番の能力なのではないかと、取材の過程で感じましたね。今後、MBAを取得したということが、人間力がある、ということの証明になるようになれば、などと、ふと考えてみたりしましたよ。

(つづく)
【文・構成:黒岩 理恵子】

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