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コダマの核心

企業・人、再生シリーズ(25)~金貸しも進化しないと消滅する、地場ノンバンク2社の挑戦を研究(前)
コダマの核心
2013年12月 8日 07:00

 昔から『金貸し業』というのは、殿様ビジネスと見られていた。借り手は金主に遜(へりくだ)って頭を下げる、果ては土下座までして申し込むという構図が浮かんでいたものだ。ところが最近、様相が一転してきた。金融業の環境が様変わりしてきたのだ。極論を言えば、単純に金を貸すだけでは商売が成立できないのである。

<アコムのキャンペーン>
 2日の夜、帰宅中に目に入った地下鉄車内の光景から話を始めよう!!興味のある吊り広告を発見した。サラ金大手・アコムの吊り広告だ。『アコムは、はじめてを応援します!最大30日間金利ゼロキャンペーン。10/10~2014.1/31。アコム契約はじめての方』を声をあげて読んだ。「嘘ー、ここまでやるのか」という驚きである。健康食品の新規開拓の手法とまるで同じである。ここまでやらないと、新規のお客を掴めないのである。
 10年前までは、サラ金業者は我が世の春を謳歌していた。法人所得1,000億円を超える企業も続出した。福岡でも『あんしんのしんわ』の謳い文句のこの会社は、中央区大手門に超モダン的な自社ビルを建てた(もう売却したが)。『儲けすぎ』という社会批判のバッシングが、利息制限法の改正を生んだ。これで、大半の金融業者は息の根を止められた。大手のオーナーサラ金業者の大半は、金融機関の傘下に入った。そして、新規開拓に苦労している。

<銀行が得意先開拓に躍起>
b_15.jpg 預金は確実に増えるのだが、融資が伸びないのが金融機関に共通したジレンマである。安易に国債運用に走っているが、「国債暴落の事態になったときのリスク管理をどうするのか」が懸念されている。その危険は承知しているのだが、貸し手が見当たらない。上場企業と同様に、地場の中小企業でも借入に依存しない企業がたくさんある。また、極力自前の資金で繰り回すことを原則にしている経営者が増大している。
 銀行としては困ったものだ。周囲を見わたすと、資金を必要とする業種は不動産業しかない。となると、この業界への新規融資開拓が集中するようになる。2年前に倒産寸前の状態にあった、あるマンション業者の経営者自身が驚いている。「銀行の営業担当者が『借りてください、借りてください』と日参する。現在、融資してくれている金融機関が6行になった。2年前と比較すれば天国に昇った感じだが、これは異常だ」と警告を発する(誠に異常だ。銀行が集団行動を選択した後には、必ずバブルが弾ける)。
 こうなると、(株)第一ゼネラルサービス、(株)九州リースサービスなどのノンバンクにとって、困惑状態が生じる。前述の2社は銀行から資金調達し、2~3%の金利を上乗せして企業(不動産業主体)融資する。そこで利鞘を得る。銀行のリスクヘッジの役割をこなし、収益を確保するのである。

 ところが、事もあろうに無節操としか表現できない事態だ。2社の従来のお客に、銀行がダイレクトセールスの攻勢を開始し出した。戦闘ができるわけがない。金利戦争が不可能であることは、自明のことである。『金貸しするだけでは商売が成立せず、会社存亡の危機』という構造になったのである。そうなれば、別のビジネスモデルの確立が早急に迫られる。そのキーワードは、『情報とストックビジネス』である。

(つづく)

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