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徳洲会騒動は、永田町で炸裂するのか!! 発端の「能宗メモ」どこまで波及(前)
政治
2013年9月25日 17:42

 日本最大の医療法人「徳洲会」グループが最大の危機に瀕している。

 9月17日、東京地検特捜部が公職選挙法違反(運動員買収)容疑で、徳洲会を家宅捜査し、20日には鹿児島市内の毅氏の事務所が調べられた。昨年12月の衆院選で当選した徳田毅氏の選挙運動に多数の徳洲会関係者を動員させ、見返りに報酬を支払った疑いだ。
 徳洲会の危機は、公選法違反容疑では済まない。

 始まりは2月5日発売の週刊新潮(2月14日号)のスクープ記事だった。同誌は、徳田毅・国土交通大臣(当時)が2004年に未成年の女性を準強姦し、07年に和解していたことを報じた。毅氏は、徳洲会グループトップで創始者の徳田虎雄氏(元衆院議員)の二男だ。毅氏は政務官を辞任し、沈静化を図ったが、永田町ではこれで終わりと見る者はいなかった。事情を知る者はこうつぶやいた。
 「これは序章だ。壮大な戦いがこれから始まる」

 事の発端は昨年9月、虎雄氏の秘書役だった能宗克行氏が医療法人徳洲会の事務総長などを解任されたことだった。能宗氏は関西学院大学を卒業後に医療法人徳洲会に入り、理事長室室長などを歴任。関連会社の社長などを務めている。虎雄氏の衆院議員時代、自由連合の事務を担当。その実力は、能宗氏の決裁がないと自由連合は動かないと言われるほどだった。
 その能宗氏が徳洲会側の懲罰委員会に提出したのが「聴聞通知書に対する回答」(以下、能宗メモ)と題された文書だ。週刊新潮に書かれた毅氏の醜聞や選挙違反は、徳洲会の内情を詳細に綴ったこの文書が発端だった。

sora_22.jpg そればかりではない。83ページにものぼる文書は、虎雄氏の政界での広い人脈とおよび様々な恥部を暴露している。
 例えば宇和島徳洲会病院で起こった「修復腎移植問題」だ。修復腎移植とは腎臓がんなどで治療のために摘出した腎臓の患部を切除・修復して、慢性腎不全患者に移植することをいう。当時、修復腎移植は通常の保険診療とされなかったため、厚生労働省は診療報酬の不正受給に当たるとして病院について保険診療停止などを検討した。能宗メモは当時の様子をこう記す。
 「衛藤晟一参院議員を中心とした国会議員の議員連盟『修復腎移植を考える会』をフル活動させ、宇和島徳洲会病院の保健医療機関取り消しを前提とした『聴聞』を無期延期とし、特定医療法人沖縄徳洲会の特定医療法人取り消しを回避させました」
 この時の"恩恵"として能宗氏は、「沖縄徳洲会は22年度、23年度の2年間でおよそ17億円の税金を節税」とも記している。
 衛藤氏は、第二次安倍内閣で首相補佐官を務めている。旧亀井派に属していたこともあり、亀井静香元金融担当相の側近だ。能宗メモは「修復腎移植の議連の活動で宇和島徳洲会の保険指定医療機関取り消し問題を棚上げにすることができたのも、亀井先生の側近として人間関係のできた衛藤晟一参院議員」のおかげと記している。
 そして亀井氏と虎雄氏こそ、「運命共同体」というべき関係なのである。
 能宗メモは「亀井先生、義理と人情の政治家で、(略)長年にわたり徳田理事長を支えて下さった恩人です」と記すとともに、1996年度の大阪~徳之島直行便の就航、谷山漁港や障子川の船泊り、徳之島母間港への予算付けや2001年度のサトウキビ価格値上げなどが亀井氏の尽力によるものとしている。
 両者の関係は政治問題に限らない。病床数を得られずUR機構から違約金をとられそうになった「京都南徳洲会病院事件」に関しては、亀井事務所のとりなしによって違約金が減額されたという経緯があったことを、能宗メモは次のように暴露している。
 「徳洲会病院の建設工事においては、徳田理事長からも、『亀井先生からの紹介には、かねてより最大限配慮するように』と言われておりました。亀井先生の紹介業者を見積もりに参加させることは日常的ですし、下請け業者の紹介も、その都度、設計会社である新都計画の茂苅社長に一覧表や電話で伝えて推薦しておりました」(能宗メモ)。

 そうした利権関係に介入しようとしたのが、虎雄氏の二男の毅氏だった。親の時代の恩義を知らない毅氏は自身が推薦する業者を押し込み、亀井氏の「利権」を奪おうとしたのだ。そして入札競争に負けた毅氏の推薦業者から「亀井事務所が能宗と組んで徳洲会の仕事をすべて仕切っている。さらに見返りを亀井事務所(と能宗)がもらっている」との中傷文書が届いた。血の争いに金が絡んできた。すでに徳田家と能宗氏との関係は、修復不可能な状態に至っていた。

(つづく)
【永田 薫】

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