2024年05月06日( 月 )

人吉で愛され続ける球磨焼酎の造り手、繊月酒造(前)

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繊月酒造(株)

 熊本県南部に位置する球磨盆地の中心、人吉市に114年続く焼酎蔵、繊月酒造がある。2013年、同社の焼酎「川辺」が、76年の歴史ある酒コンテスト「ロサンゼルス ワイン&スピリッツ コンペティション」の焼酎部門で、出品された25銘柄中、最高金賞を受賞した。世界でも名高いジャーナリストや蒸留酒製造業者などの厳しい鑑評のなか、最高得点を獲得し、世界中の焼酎ファンにその名を知らしめた。
 繊月酒造の焼酎は、代々安定した味と品質を保ち、地元の人々に愛され続けてきた。500年の歴史があるという人吉の「球磨焼酎」。その魅力について、今年1月、同社の代表取締役社長へ就任した堤純子氏に話を聞いた。

ブランド「球磨焼酎」とは

sak1 「球磨焼酎と呼べるのは、球磨川の伏流水を使い、人吉・球磨地域で米を原料に造られた焼酎だけです。現在、球磨焼酎を造っている蔵は28社あります。100年ほど前は、100社以上あったそうです。明治32年には自家醸造が禁止されるなど、当社の創業時あたりで酒造の免許制度が厳しくなり減っていきました。球磨地方では16世紀半ばには焼酎が作られていたと文献にあり、最初は自家製の焼酎を飲んでいたことも多かったと思われます」(堤氏談)。

 1995年、「球磨焼酎」は、世界貿易機構(WTO)のトリプス協定で、長崎県の「壱岐焼酎」、沖縄県の「琉球泡盛」と並び、地理的表示の産地指定を受け国際的にブランドが保護された。ワインの「ボルドー」やウイスキーの「スコッチ」などと同じで、それぞれの地域で生産され、決められた製法で造られたものでなければ、その産地を冠した呼称を使うことはできない。「球磨焼酎」は、世界的な銘酒へと位置付けられたのだ。

(つづく)
【村重 珠実】

<COMPANY INFORMATION>
繊月酒造(株)
代 表:堤 純子
設 立:1950年10月
所在地:熊本県人吉市新町1
TEL:0966-22-3207
URL:http://www.sengetsu.co.jp/index.html​

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