2024年05月05日( 日 )

西日本フィナンシャルホールディングス、久保田勇夫会長新春経済講演会(17)

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Ⅳ.2018年の世界経済

先進国、途上国ともGDPは好転、加速

 次に2018年の世界経済の動向についてです。これは詳しくは資料の表を見ていただきたいと思います。GDPは全体として好転を継続し、加速傾向にあります。2016年中期以降、世界経済はずっと拡張しているのです。しかも、先進国、途上国両方ともです。中国の場合、たとえば、2017年は中国の統計では6.9%、IMFの統計では6.8%と推定していますが、それでも順調に上がっています。そういうことで途上国も結構高いわけですし、一次産品国や政治リスクがある国はあまり芳しくはないけれども、ロシアもマイナス成長からプラス成長に転換しています。世界経済全体はGDPを見ると好転し、しかも加速しています。

 2.上段は、一般政府の総債務残高の対GDP比の実績と見通し
 3.下段は、一般政府の財政赤字の対GDP比の実績と見通し

 物価は、先進国では上昇傾向です。日本も本当にそうかと思いますが、来年度の政府の見通しでは消費者物価は1.1%上昇としています。IMFは金融市場については安定回復、すなわち金融危機以前、つまりリーマン・ショック以前に戻ったと言っていますが、今後については、金融政策のねじれ、バブルの恐れ、あるいは世界の政治動向、次第だろうと思います。
 課題については引き続きいろいろありますということを記していますが、そのなかでとくに長期的な政策、つまり構造改革や財政節度、生産性向上というのは今のように世界経済全体として余裕があるうちに、手を付けるべきだというのがIMFを始めとした一般的な見方です。

(つづく)

 
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