2024年05月15日( 水 )

生コンクリート・セメント、建材とともに 地元福岡のまちづくりへ貢献する

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(株)梅谷商事

地場業界でトップクラス

 (株)梅谷商事は、現代表取締役社長・梅谷藤雄氏が1964年4月に生コンクリート製造販売業を当時の宗像郡宗像町(現・宗像市)で創業したことに始まる。73年2月に生コン・セメントを販売する商社部門として独立させ、設立した。なお、生コン製造については、のちの75年1月に(株)梅谷コンクリートとして設立。梅谷グループは、同社および梅谷コンクリート・(株)作賑コンクリート、不動産賃貸業(有)作賑不動産の計4社で構成され、梅谷商事はグループの中核企業として、全体を総括する。

 同社は主に、生コンおよびセメントなど建材の販売を手がける。なお、梅谷コンクリートおよび作賑コンクリートの工場数は5つで、福岡市内に2工場、太宰府市・久留米市・朝倉郡筑前町にそれぞれ1工場を有する。

 創業から56年、設立から47年、常に地場業界をリードしながら今日に至る。毎期グループ全体で100億円クラスの業績を積み上げながら、大手・中堅から地場ゼネコンまで幅広い営業網によって、収益を確保している。

独自性高い製品開発

 10年以上前に梅谷藤雄社長へインタビューした際、「福岡市内のまちの変貌には驚くばかり。生コン販売を始めた64年当時は、福岡市内周辺にはまだ田んぼが多く残っていた。まだまだ『ローカル都市』色が色濃かったが、都市が様変わりしたのは、75年に山陽新幹線が博多駅まで伸びてきた時だ。博多駅周辺はビルが次々に新設された。

 その後、87年からバブル時期の91年ごろもどんどんビルが建った。そして現在進行している都市再開発が第三次に当たるのではないか。この40年間の福岡の躍進には隔世の感を抱くが、この一端を担ってきたことに誇りを抱く」と、福岡都市圏の発展について述べていた。

 さらに、「福岡にも30階建の高層建築物も増えてきた。また建築基準法の改正で基本構造の強化が求められているが、そうなると一段と生コン性能の品質アップが問われてくる。品質の改善には大学の研究室とタイアップしていく。また工場での技術開発・人材育成も強化する。ビル構造物の寿命をいかに長く保たせるかの要は、どれだけ強度のある生コンを利用するかにかかっている。我が社も時代のニーズに合った製品の向上に注力していく。福岡の都市の発展に下支えできる喜びを噛みしめて社員の皆と切磋琢磨していきたい」─。

 現在、福岡都市圏は、天神ビッグバンをはじめ、各地域の再開発案件が多数存在する。梅谷社長の想定通りに、福岡都市圏は進化を続けている。福岡都市圏の進化発展とともに、同社の製品開発も進化する。

 同社およびグループは、独自性の高い製品をもつ。その1つが、Clean Coal Ash Slurry(C–CAS)「低炭素コンクリート」と称される製品だ。2004年に九州大学で本格的に研究が始まった。

 同社によると、「低炭素コンクリートは、電力会社から排出される石炭灰をスラリー(泥状)化して分散する方法で、その効果としてコンクリートの流動性が向上します。また、細骨材の一部に、『外割配合』することで、高強度、高品質のコンクリートになります。スラリー化とは、石炭灰を水に溶解し、一定時間撹拌(かきまぜる)したもので、コンクリート品質の安定性を実現します。石炭灰は表面が平滑かつ球状粒子なので、コンクリートの性質が向上するのです」(小笠原社長)。

「スランプタイプ分離抵抗性+充填性コンクリート」が優れているポイント

 もう1つが、Segregation resisting and Compacting Concrete – Slump type(SCC–S)「スランプタイプ分離抵抗性+充填性コンクリート」だ。同社は、「SCC–Sは、混和剤および石炭灰を使用することにより、単位セメント量と単位水量が一定で、スランプ選定フリーのコンクリートを製造することができます。また高品質・高耐久性で、強度の変動が少なく施工性が良いのもSCC–Sの特徴です。以上の特徴により、分離抵抗性および充填性の高いコンクリートを打設することができます」という。

 なお「スランプタイプ分離抵抗性+充填性コンクリート」の配合方法は、同社の特許である。加えて同社グループ工場は、工程管理の内容をJISとして社内標準化することを目指しており、標準化が成功すれば全国でも初めての試みとなる。いずれも高性能なコンクリートで、次世代の恒久的な建築物に対して多大な貢献が期待できる製品である。

「低炭素コンクリート」が優れているポイント

まちづくりを支える存在として

 同社は、梅谷グループの中核会社として高い実績と信頼を得ており、福岡地区生コン業界のリーダー的存在でもある。その力の源は、優れた製品開発と品質管理の徹底により、安心・安全な製品を提供し続けていることだ。

 同社およびグループの企業風土は、大変風通しが良く働きやすい。生コン・セメントなど建材販売という業種であることから地味ではあるものの、安定した実績を毎期積み上げていき、社員一同仕事に対して誠実にかつ実直な姿勢で取り組んでいる。建設土木に不可欠な生コン・セメントを提供する同社は、まちづくりを支える大きな存在であることは、今も未来永劫不動である。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:梅谷 藤雄
所在地:福岡市博多区住吉4-4-3
設 立:1973年2月
資本金:1,250万円
TEL:092-451-1501
URL:http://umetani-group.co.jp


<プロフィール>
梅谷 藤雄
(うめたに ふじお)
1933年、福岡県生まれ。1973年2月に(株)梅谷商事を設立し、代表取締役に就任。87歳の現在も毎日出社し、経営の陣頭指揮をとる。

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