進行する天神ビッグバン&博多コネクティッド(2)
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天神ビッグバン
ヒューリック福岡ビル
明治通りと新天町に挟まれたオフィスビル「ヒューリック福岡ビル」(所有:ヒューリック(株))も、高級ホテルを核とした大型複合商業ビルへと再開発される。
「(仮称)ヒューリック福岡ビル建替計画」は、約1,450m2の敷地に、地上19階・塔屋2階・地下3階の高さ約92mのビルを建てる計画で、用途はホテル、オフィス、商業など。建物コンセプトを「THE GATE」とし、天神地区への入口にふさわしい新たな賑わい拠点としての「GATE」を形成する。また、ホテル、オフィス、商業の異なる3つの用途の積層を照明計画などで表出させ、街に印象的な景観を創出。外壁パネルには、帯状に幾何学的な模様が連なるパターンを設け、陰影により表情を変える新たな街のシンボルを生み出していく。また、低層部および中層部には四季折々に花の咲く植栽を設けることで、まちに潤いを与える計画となっている。
同ビルの設計および施工は大成建設(株)が担当。21年10月に天神BBBの認定を受けており、竣工は24年9月を予定している。
市役所北別館&MMTビル
福岡市役所本庁舎の北側に位置する「市役所北別館」では、建物解体後に民間事業者による跡地再開発を予定しているが、21年7月に福岡地所を代表企業とするグループ(構成企業:九州電力(株)、(株)九電工、前田建設工業(株)、(株)俊設計、(株)旭工務店、(株)サン・ライフ)が優先交渉権者に決定した。
同グループの提案では、事業の基本方針を「アフターコロナの働き方に対応する、創造性向上に特化したワークプレイス」と掲げ、地上19階・地下2階の高さ88.45mのビルを建てる計画。地下1階~地上5階部分には入居企業や街全体でシェアできるゆとり・遊びの空間「アクセラリウム」を設けるほか、6~8階が内装付きオフィス、9~19階がハッカブルオフィス(ハーフスケルトンオフィス)となる。事業期間は60年間で、開業は25年11月を予定している。
一方で、市役所北別館に隣接する大型ビル「メディアモール天神(MMT)」も、隣接する複数のビルと併せて再開発される予定となっている。
MMTは地上9階・地下3階建ての大型ビルで、敷地面積は約2,300m2。もともと1979年に「天神東急プラザ」として開業したもので、97年に天神ビブレの別館「天神ビブレ2」となったが、01年2月に閉店し、01年11月にMMTとして改めて開業。ジュンク堂書店などが入居していた。16年には福岡地所がMMTを取得し、天神ビッグバンを活用した再開発を決定。建替えに向けた解体工事を進めている。途中、MMTビルと天神ビジネスセンターとに挟まれた路地裏に立つ鉄骨5階建に入居する2つの飲食店があった関係で、一部の解体工事の中断を余儀なくされていたが、2店が今年3月に閉店したことで、現在は残りの部分の解体工事を進めている。
さらに、MMTと市役所北別館に挟まれた「第2明星ビル」も福岡地所が今年4月に取得しており、今後は同ビルもMMTと合わせて一体開発される公算が高いほか、前述の市役所北別館の再開発とも何らかの連携が図られることも考えられる。すでに竣工・開業している天神ビジネスセンターをはじめ、市役所北別館再開発、MMT再開発と、同一区画内で福岡地所が関わる3件の再開発プロジェクトが進んでいることになり、天神ビッグバンを象徴する区画の1つになっていきそうだ。
【坂田 憲治】
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