2024年05月16日( 木 )

進行する天神ビッグバン&博多コネクティッド(2)

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天神ビッグバン

解体工事進むイムズ、エリア外でも再開発旺盛

 長らく“天神の顔”の1つとして親しまれ、21年8月末に閉館した商業施設「イムズ」(天神MMビル)も再開発に向けた解体工事に着手している。

 地上14階・地下4階建の商業ビルであるイムズは、89年3月竣工とまだ築30年程度しか経っていなかったが、天神ビッグバンの進行にともなって周辺エリアの将来像が変化していくなかで、新時代の天神に求められるニーズに応えるべく、再開発により新たな価値を創造していくことを決めた。新たなビルの計画内容についてはまだ不明だが、所有者の三菱地所(株)と福岡市を含めた関係者との協議の下、都市機能の強化・魅力づくりに寄与することを念頭に検討を進めていくとしている。

解体工事進むイムズ
解体工事進むイムズ

 こうして天神ビッグバンのエリア内では複数の大型プロジェクトが進行しているが、エリア外でもいくつかの大型再開発の動きがある。

 たとえば昭和通り沿いの博多区中洲中島町では、立体駐車場の跡地で「(仮称)鹿島中洲中島町オフィスビル」の建設が進んでいる。同ビルはスーパーゼネコンの鹿島建設(株)が企画・設計・施工を行っているもので、S造(付加制震)地上14階建て、延床面積1万6,124m2のオフィスビルを建設するもの。基準階の事務所部分は有効面積約320坪、天井高2.8m、奥行14mの無柱空間を実現し、フレキシブルな執務環境を提供。最小賃貸床面積は約31坪としており、スタートアップ企業などにも使いやすい設定にしている。また、高性能Low-Eガラスや高効率空調機の導入、明るさセンサーによる貸事務室照明の適正な照度設定により、今後のオフィスビルの基軸となる「ZEB Ready」認証を取得するほか、ビル利用者の健康性、快適性の維持・増進を支援する取り組みが評価され、テナントオフィスビルでは九州初となるCASBEE-スマートウェルネスオフィス認証のSランクを取得している。昭和通りに面するメインエントランスとなる南東側には、天井高約10mの開放感あるピロティを設置し、まちの賑わい創出にも寄与。現在は、23年6月の竣工を目指して工事が進んでいる。

(仮称)鹿島中洲中島町オフィスビル
(仮称)鹿島中洲中島町オフィスビル

 鹿島中洲中島町オフィスビルから、昭和通りを挟んで対岸となる中洲5丁目でも、「(仮称)明治安田生命福岡ビル建替え工事」が進んでいる。同建替え工事は、63年10月に竣工した「明治安田生命福岡ビル」(所有:明治安田生命保険)を建て替える計画で、解体工事は21年12月末までに完了し、現在は新ビルの建築工事が進んでいる。敷地面積1,834m2にS造地上14階・地下1階建て、延床面積1万2,560m2の建物を建てる計画で、用途としては全255室のホテルが誕生する予定。建築主は明治安田生命で、設計・施工は(株)竹中工務店が担当。23年6月の竣工を予定している。

(仮称)明治安田生命福岡ビル建替え工事
(仮称)明治安田生命福岡ビル建替え工事

 ほかに、北天神エリアの長浜1丁目の日本貨物鉄道(株)(JR貨物)所有の土地でも今後、大規模な再開発の動きが出てきており、「ざうお天神店」や「天然温泉 天神ゆの華」などの既存施設が今年10月までに閉店する予定となっている。詳細については本誌別項で紹介しているが、同地での再開発が天神ビッグバンとも相乗効果を発揮して、天神エリアのさらなる魅力向上に寄与してほしいところだ。

【坂田 憲治】

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