2024年11月11日( 月 )

韓国SKテレコムと提携でインバウンド増加に期待

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元祖トマトラーメン三味(333)

訪日外国人トップは韓国

 今年の夏は4年ぶりに多くの外国人観光客が日本を訪れた。日本政府観光局(JNTO)のまとめによると、7月単月の訪日外国人数(推計値)は232万600人で、前年同月(14万4,500人)の16倍におよぶ。また、コロナ禍前の2019年7月(299万1,000人)と比べると77%まで回復した。

 国別では韓国の62万6,800人が最も多く、台湾42万2,300人、中国31万3,300人と続いた。日本が昨年10月にビザなしの個人旅行客の受け入れを解禁して以降、韓国人の訪日は爆発的に増え、今年上半期の訪日外国人1,071万1,400人中、韓国人は312万8,400人で29.2%を占めた。

SKテレコム グローバル旅行サービス拡大

 韓国の大手通信キャリア・SKテレコムは6月1日、ポストコロナに向けた海外事業拡大にともない、「Tメンバーシップ(※1)」会員を対象にグルメやホテル・交通・ショッピング・アクティビティで提携割引などを提供するグローバル旅行サービスを全世界9地域・1万8,000以上の提携先に拡大した。

(※1)Tメンバーシップ:韓国国内で20年以上利用されているSKテレコム会員向けのお得なサービス。 ^

 提携国・地域は、日本・グアム・サイパン・ハワイ・ベトナム・シンガポール・ヨーロッパ・タイ・フィリピン。日本では、東京・大阪・沖縄・福岡の4エリアで展開され、福岡県内では飲食店や温泉施設などの9業者18店舗がグローバルサービス提携店となっている(23年6月現在)。提携店は、会員向けサイトやアプリのグローバル旅行情報ページ内での店舗紹介や、年間100万部を配布するパンフレットへ掲載されるなど宣伝支援を受けることができる。

Tメンバーシップサイト三味紹介ページ
Tメンバーシップサイト三味紹介ページ

 SKテレコム会員は、「Tメンバーシップ会員証(モバイルアプリ)」を提示することで会員限定の特典が受けられる。今回のグローバル展開により、韓国国内に加えて海外の旅行先でも、同様のサービスが受けられる機会が増えたことになる。さらに訪日時には、日本語のコミュニケーションを助けるチャットアプリ「KakaoTalk」での顧客対応や店舗情報、Googleマップ情報共有などのサービスも充実している。

韓国人が訪れたい日本の店・三味(333)

 今回提携店の1つとして選ばれた元祖トマトラーメン三味(333)(※2)は、福岡県内に7店舗を構え、若者を中心に人気を博しているが、芸能人が多く来店することでも知られている。各店舗の壁には所狭しとサイン色紙が並んでいるが、なかでもキャナルシティ博多ラーメンスタジアム店で目立つのは韓国のタレントやミュージシャンといった顔ぶれ。きっかけは、18年4月に来店した韓国人気グループBIGBANGの当時のメンバーが「お気に入りのお店」としてライブ配信で紹介したことが始まり。その後もタレントのキム・グラや女性インフルエンサーも訪れた。また、韓国人留学生を店内スタッフとして雇用していることもあり、三味(333)を中心とした韓国コミュニティはどんどんと広がっていった。

(※2)「元祖トマトラーメンⓇ」は2017年6月9日に登録された商標です。 ^

元祖トマトラーメンと辛麺 三味(333) ​​​​​​​キャナルシティ博多ラーメンスタジアム店
元祖トマトラーメンと辛麺 三味(333)
キャナルシティ博多ラーメンスタジアム店

 そんな韓国人の嗜好度が高いトマトラーメン三味(333)は、料理だけでなくソウルマッコリや韓国焼酎チャミスルの提供も行う。今回のSKテレコムとの提携においては、韓国人ユーザーに喜ばれるコンテンツとしてすでに準備を整えていた。

 三味(333)は6月1日よりTメンバーシップ会員向けに、トマトラーメンを食べた後の「リゾット」を無料提供するサービスを開始した。以前より韓国人の客足は多かったこともあり急激に増えたといった印象はないようだが、韓国国内でシェア率の高い「NAVERブログ」では、三味の店舗に訪れてトマトラーメンやリゾットなどを味わったといった内容の韓国人の投稿が増加している。

NHK-WORLD-JAPAN-の
「ラーメンジャパン5話(6月28日放映分)」

    また三味(333)は、世界約160カ国・約3億世帯で視聴可能なテレビ放送・NHK WORLD-JAPAN の「ラーメンジャパン5話(6月28日放映分)」でも紹介されている。この番組は、日本中を旅してラーメンにまつわる地元の習慣と食文化を探索するもので、出演した同社の宮下将司代表は、「親子三代にわたって愛してもらえるような、福岡に根付いたお店にしたい」と笑顔で語っている。

 昨年末の東京進出を皮切りにデリバリー提供で全国展開に向け動き出した三味。今年は海外に向けた発信で「トマトラーメン三味(333)」の知名度向上とともに、さらなるインバウンド需要拡大にも期待が高まる。

【松本 悠子】


<COMPANY INFORMATION>
(株)三味

代 表:宮下 将司
所在地:福岡市博多区東公園1-25
    元祖トマトラーメンビル
設 立:2015年10月
資本金:800万円
URL:https://333sanmishopping.com/

法人名

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