消費者ニーズは多様化し、どのような商品が消費者に受け入れられるのかわからないと嘆く企業は多い。そんななか、閉塞感が漂う流通業界にあって、消費者の心をつかみ博多土産として強烈な存在感を示している（株）山口油屋福太郎の「めんべい」。今や年商13億円の売上を誇る看板商品に成長した。大ヒット商品を生み出した同社はどのような企業なのだろうか。

＜油屋は総合食品メーカーに苦境に立たされ多角化展開へ＞
　（株）山口油屋福太郎は1909年に創業し、もともとは食用油の製造業を営んでいた。戦後55年１月に（有）山口油屋として法人化。1960年代頃、スーパーの特売などで油の値段を叩かれ、苦しい思いをしていたこともあって業務用食品分野に進出。しかし、業務用食材では同業他社との競争も激しく苦戦を余儀なくされていた。
　同社は当時、食材卸メーカーとして明太子業者へ調味料を納めていた。苦戦のなかで、同社自身も繁盛していた明太子への参入を決断。すでに明太子業者のライバルも多くあったなか、唐辛子の量を減らし、酒の肴ではなく、ご飯のおともとして女性や子どもでも食べやすい明太子を提案。これが軌道に乗り、"福太郎ブランド"を確立した。

　現在は、油・業務用食材、明太子、明太入りのせんべいである「めんべい」、飲食店経営が同社の主な事業の柱となっている。同社の関連企業に、明太子の加工製造を手がける福太郎本舗（株）、輸入担当の福太郎インポート（株）、原卵問屋のぎょらん（株）、賃貸倉庫の（有）山口倉庫、筑紫野市の温浴飲食施設「天拝の郷」を運営する天拝の郷（株）、英彦山にてめんべいを製造する福太郎（株）が存在する。また、７階建てのレストランビルである天神テルラや温泉施設「千石の郷」は、本社飲食部門にて展開している。

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＜COMPANY INFORMATION＞
代　表：山口　毅
所在地：福岡市博多区那珂6-27-16
創　業：1909年３月
設　立：1955年１月
資本金：1,000万円
ＵＲＬ：http://www.fukutaro.co.jp/pc/

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