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【緊急検証】久留米市総合都市プラザは市民の財産か負債か?(中)
特別取材
2013年11月 1日 07:00

<市民の負担になる合併特例債>
 あまり聞きなれない言葉であるが、今回、久留米市が利用する合併特例債は、広域合併した自治体に発行が認められる債券である。しかし、所詮は借金の言い方を変えただけ。下東弁護士は反対する理由の1つに合併特例債を利用することで、先々市民の負担になることをあげる。「165億円のうち70%にあたる110億円の合併特例債を使い、残りの50億円を久留米市が負担する。合併特例債は翌期の市の予算に上乗せされることで実質、先々の市民負担になるのは避けられない」と話す。

kurume2.jpg 合併特例債は総務省市町村課が窓口となっている。同課によると、合併特例債を利用することで自治体に支給される地方交付税交付金の減額はないとしているが、合併算定替により、今後は順次減らされていくとした。「平成の大合併」により、10年間は合併前の市町村ごとに策定した普通交付金の総額が得られるが、11年目より段階的に減らされ、16年目には純粋に1つの自治体として策定(一本算定)されるとしている。これは市町村合併に伴い、庁舎の統廃合、人員の削減などにより行政効率化が見込まれることによるものだ。しかも、この合併特例債は当初は合併後10年間であったが、2011年3月に起きた東日本大震災を受けて、被災地は20年、非被災地は15年に延長されている。久留米市は合併特例債の使用を5年延長することができた。焦って利用する必要はなかったのである。

 下東弁護士はこの都市プラザ問題以外に様々な久留米市政の抱える問題点を指摘する。そのなかでも久留米市は国民健康保険が、他の自治体と比べても異様に高すぎることに力点を置く。
 「久留米市では保険料の未納分(6.5兆円)、最高限度額を超えた分(12億円)、基盤安定繰入金(10.9兆円)の合計29.4億円(2010年度)を本来なら一般会計繰り入れで補うべきであるが、これを上乗せするため、国保料が異様に高くなっている。合併した旧4町では久留米市と合併したことにより大幅に国保料があがった。久留米市で高いのは市庁舎と国保料である」という。

 年間所得が200万円の場合、保険料額は2009年度に久留米市43万2,000円に対し、北九州市29万6,000円と13万2,000円も開きがある。これは北九州市が一般会計からの法定外繰入金が8.23%(全国平均2.9%、中核都市1.7%)に対し、久留米市は0.22%と差があるからだ。仮に久留米市が全国平均まで一般会計からの繰り入れを増やせば10億8,000万円の国保財政が生まれることになり、市民の負担も減る。
 合併特例債は借金であり、市の負担が増えればしわ寄せを受けるのは市民。総合都市プラザができることで国保料の負担が増加し、公共料金が値上げされることもあり得るのだ。

(つづく)

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