ネットアイビーニュース

NET-IB NEWSネットアイビーニュース

サイト内検索


カテゴリで選ぶ
コンテンツで選ぶ
会社情報

クローズアップ

突如の「引退宣言」で最高収益(中)~(株)ジャパネットたかた・高田明社長
クローズアップ
2014年2月 4日 07:00

<引退宣言により本物の組織をつくる>
 ――2年後に社長職を辞任すると宣言しましたが、本当に引退されるのですか。また、これまで順調に成長してこられたなかで、なぜ辞任するのでしょうか。

 髙田明氏(以下、髙田) ちょうど設立30年にあたり、2016年には退きます。今は東京オフィスにいる長男の副社長が37歳になります。私が会社を興したのも37歳でした。元気なうちに退いた方が、まだアドバイスできると考えています。
 経営者としての考え方ですが、私は宣言したらそこに向かうことを考えます。やり続ければ結果につながることを、これまでの人生経験から学んできました。私が社長職を辞めるか辞めないかは、大きな問題ではありません。これまで取り組んできたことに価値があると考えています。目標に向かって進んできたことが重要であり、会社を本物にしていくには"課題"が必要です。その課題として、私は辞めることを宣言したに過ぎません。
 昨年1年はみんなつらい想いをして苦しかったと思いますが、そのなかでしっかり数字をつくってきた社員の力は、会社の力として引き継いでいかれると期待しています。今回、辞任を宣言することで、一番やってほしかったことを社員は実現しようとしています。

 ――社員に伝えたのは、いつ頃ですか。

(株)ジャパネットたかた 本社 髙田 昨年末に伝えました。私は閃いた言葉をすぐに口にするタイプなので。引退宣言をすることで、社員に覚悟が芽生えます。そうすると、目に見えて社員の動きも変わりました。社長がいないショッピング番組をどのようにつくっていくか、社員が自ら考えていく必要が出てきます。これが非常に大事。社長がいなくても本物の集団をつくっていくのが、これから2年間の戦いとなります。私も67歳になるので、時期的にはちょうど良いと思っています。

 ――髙田社長はMCから商品選び、全体のマネジメントまで幅広く手がけられていただけに、社長への依存度は高いのでは。

 髙田 その通り。ラジオでスタートした当初は、私しかしゃべる人がいませんでした。その延長で今もしゃべっているだけです。ラジオについては、現在は他に社員に任せており、またテレビも半分は東京オフィスに任せています。この1~2年で、さらに私以外の社員が力をつけていくと期待しており、アドバイスし議論しながら着々と強化していきたいと思います。

<マインドを持った人を積極的に採用>
 ――社員の士気がとても高いように見えますが、人材育成については。

 髙田 子どもは、親が頑張っている姿を見て成長する。親が頑張らなかったら子どもは影響を受ける。それと同じように、上に立つ人が先頭に立って、行ないを社員に見てもらうことが大事です。私は企業理念として、売上を上げるだけではなく、社会に貢献できなければ企業の価値はないと考えています。それが生きる原動力となる。この企業理念を社員はしっかり受け止めているため、意識や士気が高く、能力も高い人が多いと自負しています。

 経営関連の書籍には、社員を褒めることで伸ばすといったことが書かれていますが、私は2割褒めて8割叱るイメージ。本当は、目標達成したら社員を10褒めたい気分のときもありますが、それでも次に備えて気を引き締めなければならないので、簡単には褒めません。社員にしてみたら、社長は少し厳しいと感じているかもしれませんが。ただ、2対8の割合は問題ではなく、叱る部分にどういった意味を持たせるかが大事です。子どもの教育と同じで、褒めるだけではもちろんダメですが、叱るときも愛情を持って叱らなければなりません。何かを達成しても、足りない部分をしっかり伝えることで、さらに学ぶ意識も芽生えます。こういった行動が習慣化していけば、人として、また会社として強くなると考えています。

 採用と教育はここ数年、力を入れています。優秀な人を採用しても、教育を施さなければ戦力にはなりません。しっかりとした考えを持ち、弊社の企業理念に共鳴してくれる人を採用しているつもりです。会社の理念に共鳴しなければ、集団行動はうまくいかない。ここは誇れます。マインドとスキルの両方が必要ですが、とくにマインドは非常に大切にしています。
 ただし、マネージャーについては、マネジメントスキルが大事になります。1人のリーダーシップだけでは、会社は成り立ちません。全員がリーダーシップを発揮できるマッキンゼーのような考えが大事ですが、人には向き不向きもあります。ここのミスマッチを起こさないように、教育制度を整備しているところです。これも、引退する2年後に向けた課題の1つです。

 ――ちなみにご子息の子育てについては。

 髙田 私は仕事がなければつくるタイプで、とにかく仕事ばかりをしていたので、息子にはあまり構ってこられませんでした。息子の教育は妻がやっていましたが、勉強などはとても楽しみながら行なっていたと思う。妻の教育はたいしたものだと、今でも思っています。

(つづく)
【文・構成:小山 仁】

≪ (前) | (後) ≫

<COMPANY INFORMATION>
所在地:長崎県佐世保市日宇町2781
設 立:1986年1月
資本金:1億円
売上高:(13/12)1,423億円(見込み)

<プロフィール>
takata_pr.jpg髙田 明(たかた・あきら)
1948年、長崎県平戸市生まれ。71年に大阪経済大学経済学部卒業後、阪村機械製作所に入社。74年に実父が経営していた「カメラのたかた」に入社。観光写真撮影販売の仕事から始め、86年に独立し(株)たかたを設立。90年にラジオショッピングに始まり、94年よりテレビ通販事業に参入。99年、(株)ジャパネットたかたに社名を変更し、新聞折込、CS放送、インターネット、携帯サイトなどの多メディア戦略を展開。売上高1,000億円を超える家電通信販売業界のリーディングカンパニーに成長させた。

独自の切り口で福岡・九州の今を伝えるニュースサイト
 ※最新ニュースはコチラ⇒NET-IB トップページ


※記事へのご意見はこちら

クローズアップ一覧
クローズアップ
2014年1月31日 09:00
クローズアップ
2014年1月30日 13:58
クローズアップ
2014年1月29日 15:43
NET-IB NEWS メールマガジン 登録・解除
純広告用レクタングル

2012年流通特集号
流通メルマガ
純広告VT
純広告VT
純広告VT

IMPACT用レクタングル


MicroAdT用レクタングル