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突如の「引退宣言」で最高収益(前)~(株)ジャパネットたかた・高田明社長
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2014年2月 3日 07:00

 テレビショッピングでお馴染みの、家電通販のリーディングカンパニーとして知られる(株)ジャパネットたかた。九州・長崎から「消費者に感動を伝え、新しいライフスタイルを提案する」を理念とした販売スタイルで売上高1,000億円を超えるメガ通販企業に成長。ここ数年は業績の減少から「今期の利益が最高収益の136億円に達しなければ社長を辞する」と発表し業界内を驚かせたものの、見事に最高収益を達成し、健在ぶりを示した。今回、同社社長の髙田明氏に、企業理念や、理想と実現に向けた事業成功への取り組みについて大いに語っていただいた。

(聞き手:弊社流通事業部部長・鹿島 譲二)

<市場は工夫して広げるもの>
 ――まず、2013年度の業績について教えてください。

 髙田明氏(以下、髙田) 2013年12月期は売上高が1,423億円で、当期経常利益は153億円になる見込みです。

 ――不況のなか、これまで市場を牽引し、成功した要因は。

 髙田 まず「市場がない」ということはありません。すでに存在している市場を、どのように広げ大きくするかは、つくり方の問題です。たとえば、陶器業界で、旅館の経費削減のため、使用する焼き物の需要が減れば、家庭用茶碗として応用したり、寿司屋など飲食店向けに提案したりして、新しい試みで市場を広げることができるのではないでしょうか。また、若年層向けに売れている商品を、ジェネレーションギャップを埋めて高齢者にも買ってもらえるように提案するなど、工夫できる余地はたくさんあります。
 新しい商品を投入するだけが市場を広げる方法ではなく、すでに存在している商品を見直してどのように提案するかによって、仮に売上が20%下がっていたとしても、120%にすることは十分できます。弊社はこれまで、そうやって市場を広げることができてきていると思っています。テレビに置き換わってクリーナーや炊飯器、エアコンなどの販売量が何倍にもなっている理由はそこにあるのです。

 ――現在の媒体別の売上構成は、どのようになっていますか。

(株)ジャパネットたかた 代表取締役社長 髙田 明 氏 髙田 現在はカタログなどの紙媒体が最も多く、次いでテレビ、インターネット、ラジオの順となっています。テレビで見てネットで買う、ラジオを聞いてネットで買う、というのが弊社の特徴的なスタイル。購入スタイルがここ数年でずいぶんと変わってきましたが、弊社の強みは、お客さまの入り口となるすべての媒体を持っている点です。ラジオの売上は数%に過ぎませんが、ラジオの視聴者にとってはラジオがすべてです。売上比率が少ないからと言ってやめたりはしません。すべての入り口を大事にすることこそが、メディアミックスだと考えています。インターネットがさらに進化しても、リアル店舗がなくなることはありません。購入手法の比率は変わるかもしれませんが、商品をさまざまな場所で買える環境にするのが、弊社のスタイルです。

 ――商品選びと伝える部分で、心がけていることを教えてください。

 髙田 時代の変化とともに生活スタイルが変わり、それにともない商品も変わってきました。とくに、スマートフォンが普及したことで、カーナビやビデオカメラの需要が減ってくるでしょう。世の中のサイクルがそれだけ早く、ITの進化にともなってさらに変わっていくでしょう。その変化に対応するには、自らも変化しなければなりません。変化を創り出し、お客さまの期待を超えるものを常に提供していくことが大事です。
 ただ、何でも売れるわけではありません。そういう多角化路線はまったく考えず、取り扱う商品は慎重に選んでいます。たとえば、食品は全体の売上のなかでもわずかで、ヒット商品が数品出てくれば良い程度。また、アパレルではカシミヤ商品を含め数点だけ取り扱う。そういったかたちで、テストしながら慎重にやっています。
 また、伝える力を磨くことで、販売効率は向上させています。テレビでしっかり伝えるには、集団的にスキルを上げる必要があります。商品も、デジタル関連から他の物にシフトしています。利益が出せない構造になっているテレビやパソコンは、世界的な流れもあり、弊社の力ではどうすることもできないため、商品の系列を変えながら、この2年目は提案力をさらに強化していきます。

(つづく)
【文・構成:小山 仁】

| (中) ≫

<COMPANY INFORMATION>
所在地:長崎県佐世保市日宇町2781
設 立:1986年1月
資本金:1億円
売上高:(13/12)1,423億円(見込み)

<プロフィール>
takata_pr.jpg髙田 明(たかた・あきら)
1948年、長崎県平戸市生まれ。71年に大阪経済大学経済学部卒業後、阪村機械製作所に入社。74年に実父が経営していた「カメラのたかた」に入社。観光写真撮影販売の仕事から始め、86年に独立し(株)たかたを設立。90年にラジオショッピングに始まり、94年よりテレビ通販事業に参入。99年、(株)ジャパネットたかたに社名を変更し、新聞折込、CS放送、インターネット、携帯サイトなどの多メディア戦略を展開。売上高1,000億円を超える家電通信販売業界のリーディングカンパニーに成長させた。

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