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メガソーラーのパイオニア、芝浦グループホールディングス(株)~新地哲己会長兼CEO(2)
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2014年1月30日 07:00

<変容する業界環境、注目集める工業団地>
 ――話を戻して昨今のメガソーラー業界についてうかがいますが、事業上の問題にはどういったものがありますか。

 新地 哲己氏(以下、新地) 以前から指摘されてきたものとして、資金、用地、受入容量の3つがあります。このうち資金面については、先に話に出ましたように業界全体として改善されつつあります。残すは用地と電力会社の受入容量ですが、いまだに問題ではあるものの、以前とは問題の性質が変わってきています。

 ――たしかに、不動産業界の方からメガソーラーの用地に関する話を頻繁に耳にするようになりました。それほど不動産の需要が大きいのでしょうか。

新地会長 新地 彼らが活発に動いている理由は2つあります。1つは、誤解というか、42円の売電権に対する認識不足から来るものです。現在の固定買取価格は38円に引き下げられていますが、引き下げまでに申請を終えていた土地に関しては、引き続き42円の権利が生きています。
 ただし、その土地に42円の売電権が付いていることと、そこで売電事業を行なえるかはまったく別の話です。調べてみると、処々の理由で事業化できないケースは珍しくありません。その点を混同した業者が、いまだに「42円」の土地を高値で持ち込んできています。こうした業者には、一般の方々も十分注意すべきでしょう。

 もう1つの理由は、メガソーラーに適した用地が意外に少ないという事情があります。1~2メガ程度の用地はあるのですが、数十メガクラスになると非常に限られてきます。そのため、事業者は多くの不動産情報を集める必要が出てくるのです。

 ――用地事情に関して、どの点が以前と変わってきていますか。

 新地 電力会社の受入容量とも関係するのですが、最近とくに注目されているのが各地に点在する工業団地です。受入容量は、その地区の変電所の能力に左右されます。工業団地のような大消費地には巨大な変電所が設けられていますので、受入容量も大きくなり、通常よりも大きなメガソーラー発電所を建設する条件が整いやすいのです。しかも、多くの工業団地で空きが出ており、数十年間塩漬けになっている用地も少なくありません。丸紅が大分で建設している80メガ級の発電所は、こうした工業団地を活用した一例と言えます。

<立ちはだかる「常識」の壁、株式上場の決断を促す>
 ――遊休地が活用され、税金も入ってくる。自治体にとってこのうえない話ですね。

 新地 それが、そう簡単でもないのです。工業団地の案件では、たとえ企業の私有地であっても行政が関わってくるケースが多くあります。そうなると、「メガソーラーは雇用を生まない」との理由で、土地の売買に横槍が入るケースが少なからず出てきているのです。北九州市のある工業団地のケース(私有地)では、先に買い付けを出した我々の価格が8~10億円であったのに対し、後から来た企業が20億円を提示したそうです。雇用を生む企業には行政が多額の補助金を出しますから、そうした事情があったのかもしれません。県南の別の工業団地では、市長が積極的に遊休地の活用に取り組んでいらっしゃいますが、今度は市議会から不平が出ているそうです。弊社の「みやま合同発電所」の例では、十数億円という償却資産税がみやま市に入ることで、財政を潤しつつあります。向こう20年間にわたってメンテナンスで雇用も生まれるというのに、常識の壁を超えるのは簡単ではありませんね。

 ――最近では、自治体がメガソーラーを誘致するケースも増えてきています。そうした事案には取り組まないのですか。

 新地 弊社は、土地を含めて自社で保有するかたちを中心に進めてきましたので、件数は多くありませんが、佐賀市と進出協定を結んだケースのように、すでに実績はあります。ただし、我々のような中小企業は、いくら実績を積もうが終始不利な立場にあることは間違いありません。ある役所の担当者は、「上場企業は、国(市場)が認めた企業ですから」とおっしゃっていました。彼らの立場に立てば、仮にプロジェクトが失敗したとしても、上場企業に任せた結果ならば咎めを受けることもないのでしょう。かといって、それでは私たちも仕事に支障を来たしてしまいます。腹を決め、2年後の上場を目指して準備を進めています。

(つづく)
【文・構成:田口 芳州】

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<COMPANY INFORMATION>
所在地:北九州市小倉南区上石田4-17-22
設 立:2010年8月
資本金:4億5,400万円
資本金:(13/7)グループ合計約300億円


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