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薬学者が見た健康食品、ニセ薬はなぜ無くならないのか?(2)

2010年5月 2日 08:00

長崎大学副学長・薬学部教授 中島憲一郎氏 中島憲一郎教授は、覚せい剤関連化合物の研究に長年従事してきたこの分野の第一人者。2002年に死亡者まで出した、「中国製ダイエット食品」(無承認無許可医薬品)の成分分析も行っている。研究室では、「覚せい剤など乱用薬物の分析」「医薬品の適正使用に関する研究」「脳内神経伝達物質の分析研究」のほかに、「機能性食品の品質評価」も大きなテーマに掲げている。健康食品にも大きな関心を寄せており、これまでにも赤野菜やノニ、冬虫夏草などで分析研究を行なってきた。同氏に健康食品に関心を持ったきっかけや、健康食品の孕む課題、展望について聞いた。


興味を抱いたきっかけは「ノニ」


 ――中島先生が健康食品に興味をお持ちになったきっかけは。


 沖縄の八重山青木を原料としたノニ(学名:モリンダ・シトリフォリア)という健康食品があります。その成分と抗酸化作用を調べてほしいという要請があり、引き受けたのがきっかけでしょうか。
 また長崎では総称を長崎野菜といって、赤大根などの有色野菜が有名です。アントシアニン系の成分をたくさん持っている野菜です。そういうものには興味を抱いておりましたね。抗酸化作用を調べてたりするうちに、これは面白いと思ったのがウコンです。カレーの素となるターメリックが癌に有効だとかいわれていたものですから、本当にそうなのだろうかと中身の成分を抽出して、春ウコンと秋ウコンの違いとか、どこのウコンが有用性がすぐれているかなど調べました。それで産地を見分けることができるのではないかとか、醤油メーカーとターメリックを入れたドレッシングを作ってみようと共同研究をやったりもしました。


 ――売り出されたのですか。


中島 なぜか市販はされませんでした。たぶん儲けにならなかったのでしょう(笑)。
 また、友人の依頼でインドネシアのブアメラという植物を調べたりもしました。
 私は、自分に知識があって研究する力があれば、欲している人に何らかの形で奉仕するべきだと思っているのです。それが薬事法に抵触したり、悪いことが起こるとすれば本当に困ることですけれども、成分分析をやってくれと頼まれたばあいに、これがいいとか悪いとかいうことをはっきりさせてあげることは必要なことではないかと思っています。
 いいこともあるけれども、いいことばかりではなく、こことここは悪いということをはっきり伝えて、それをきちんと情報開示してくれるのであれば、それはそれで協力しましょうというスタンスでおります。
 そういう意味では、ノニにしても何にしても、いいことばかりではないのです。悪いこともあるのです。そういう点を文献として出してくれることが消費者にとっても必要なことではないかと思っています。
 ブアメラに関してはβ-カロテン系統ですとか、キサントプロピン系統などのいい成分が入っていることは確かです。


――有効なのでしょうか。


中島 ええ、有用ですね。


(つづく)

【聞き手 田代 宏】

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