2024年05月17日( 金 )

【陣原駅前開発(1)】市有地活用で陣原駅前に賑わいと安心な暮らしを

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JR陣原駅前の市有地を再開発

JR陣原駅南口の駅前
JR陣原駅南口の駅前

 旧日本国有鉄道(以下、旧国鉄)東折尾貨物駅の跡地が大部分を占める、北九州市八幡西区東折尾エリア。同跡地のほとんどが、長きにわたり旧国鉄清算事業団所有の遊休地となっていが、北九州市や民間企業が買い取ることで、JR新駅の設置や駅前広場の整備などが進み、まちとして活況を呈してきた。まちづくりは主に土地区画整理事業を通じて、1997~2001年の間に集中的に実施され、東折尾エリアは市の拠点都市にまで成長した。

 こうしたなか20年4月、市は21年末に借地期限を迎えるJR陣原(じんのはる)駅南口の駅前広場に隣接した市有地の売却を決定。駅前という好立地を生かした、商業集積地としての再開発プランを公募型プロポーザルで広く募集し、20年11月に開発事業者として、地元北九州から松尾組・しょうわ会・大英産業連合体が選定された。買受希望価格は18億46万円。

【対象市有地】
所在地 :北九州市八幡西区陣原1-2-103
面 積 :20,500.01m2
用途地域:準工業地域
     (容積率200%、建ぺい率60%)

駅前を医・商・住の交流拠点に

 東折尾エリアは、北部が工業地帯、南部が住工混在の市街地という特徴づけがなされており、これは陣原駅を境界線として見た場合にも同じことがいえる。松尾組・しょうわ会・大英産業連合体が提案する、病院や薬局、カフェやスーパー、マンションの「医・商・住」複合施設整備には、色分けされた南北の結節点としての機能に加え、陣原のエリアブランド向上の役割が期待される。

 同連合体が掲げる再開発のテーマは「街なか発展拠点」。医療機能の導入により地域住民の健康を支え、商業施設と共同住宅の導入によって地域に賑わいを生み出し、安心な暮らしをサポートする。「医・商・住」の相乗効果によって、地域住民の生活利便性を高めることで街なか居住を促進し、持続的な地域の発展と周辺開発への波及を目指す。

「駅前《医・商・住》複合施設」完成イメージ
「駅前《医・商・住》複合施設」完成イメージ

「医」
・病院棟 RC造5階建て、延床面積1万5,200m2、病床数約200床
・アメニティ棟・薬局・カフェなど S造1階建て、延床面積500m2
・立体駐車場棟 S造3階建て、延床面積4,500m2

「商」
スーパーマーケット S造1階建て、延床面積2,400m2

「住」
マンションRC造13階建て、延床面積4,000m2

   陣原駅の1日の乗車人員は2,233人(JR九州「駅別乗車人員(2019年度)」より)。隣接する黒崎駅(同1万5,076人)や折尾駅(同1万5,428人)に比べて決して目立つ駅ではないが、JR鹿児島本線と福北ゆたか線の2路線が通り、国道3号線や北九州・若松~八幡西区間を結ぶ県道有毛引野線が通るなど、交通アクセスは良好。企画次第では誘客を図りやすい、開発ポテンシャルの高いエリアである。

 松尾組・しょうわ会・大英産業連合体による、陣原駅南口エリアの街なか発展拠点化は、地域活性化に寄与するのか。動向が注目される。

(つづく)

【代 源太朗】

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