2024年05月19日( 日 )

【セミナー】にしけいの企業戦略~AI技術とロボットを活用した新たな警備~

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 福岡商工会議所は20日、地場大手警備会社(株)にしけいの大坪潔晴代表取締役社長を講師に招き、AI技術とロボットを活用した警備に関する講演会をオンラインで実施した。同所情報・文化・サービス部会主催。

 全国の警備業界の動向について、大坪氏によると、機械警備の対象施設は2011年から20年までに20%増加、20年に事業者数が1万113社に達するなど、事業者数、全体の売上高ともに増加しているという。福岡県の事業者は406社で、2万人以上が従事している(20年)。ただ拡大傾向にあるものの、休日や夜間などの勤務を求められるため、人手不足の傾向が継続、60歳以上の従業員が多く、高齢化の問題も深刻という。

 1968年設立のにしけいは、業界11位、九州に本社を置く会社としては最大規模の企業の1つ。空港警備、機械警備、現金輸送警備、施設警備などを手がけている。空港警備・保安検査では45年以上の歴史を有し、福岡、羽田、伊丹、北九州、長崎の各空港で業務を行っており、国内線旅客の約30%以上をカバーしている。現金輸送業務は、九州一円をカバーしており、これまで一度も襲撃を受けたことがなく、その警備の徹底ぶりがうかがえる。現金以外にも宝飾品など貴重品の輸送にも対応しているという。

 警備業界は人手を要する業界であるが、労働人口の減少など社会環境の変化および顧客ニーズの高度化・多様化に対応するため、にしけいは最新技術を積極的に取り入れている。たとえば、画像解析、動体検知機能を有するAIカメラを警備ロボ、巡回点検ロボ、警備のみならず、清掃など複合サービスを行うロボットなどを導入した。顔認証、車のナンバープレート認識などのサービスもクラウドで提供できる。

 これらの背景には、技術の進展のみならず、社会でロボットが普及し、消費者が受け入れられるようになったことがあるという。同社はこうしたサービスをさらに発展させるため、20年11月から古賀市、(株)正興電機製作所、(株)NTTドコモ九州支社と連携し、警備ロボットを活用した「次世代警備サービス」の5Gエリア内におけるフィールド実証を行っている。

 次世代の警備について、ドローンを活用してさらなる省人化、効率化を図るとの構想を語る大坪氏。技術の発達が進むなか、その積極的な活用を図っている姿勢がうかがえた。

【茅野 雅弘】

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