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特別取材

船井総研・子会社元社長の抱える闇(2)
特別取材
2013年11月 8日 07:00

<船井メディア代表者の所業とは>
 関係者の話から浮かび上がった、野々垣氏の手口はこうだ。アースハート社に対する国税の調査が厳しさを増した2012年。同社の創業者である野中邦子氏が、自身の理解者だった船井メディア創業者・船井幸雄氏に相談を持ちかける。船井側の担当になったのが、子会社である「船井メディア」の代表だった野々垣氏だったという。

funai.jpg 野々垣氏は狡猾だった。まず、関係する税理士法人をアースハート側に紹介。事案の解決を税理士法人に委ねるよう、アースハートを説得。そしてアースハートと税理士法人が契約するに至る。アースハート側が税理士法人を信用したのは、船井の紹介だったということに加え、税理士法人が差し向けるという複数の税理士が、元国税の職員だったということに尽きる。問題解決に当たる税理士が国税に顔が利くとすれば、査察で有利な状況をつくり出すことも可能だ。アースハート側はそう考えただろうし、何より野々垣氏が「これで大丈夫」と太鼓判を押したのだという。結果、税理士法人に対する調査委託の契約金は、5,200万円という高額なものに。
 さらに不可解なのは、契約金とは別に、野々垣氏が代表を務めていた別の会社に、税理士法人所属の税理士に対する1億5,000万円あまりの「成功報酬」が支出されていたという。「成功」とは、脱税事件に発展しなかった場合ということだ。しかし、このカネは、アースハートの幹部が逮捕されたことで返金されたとされる。返さねば詐欺になりかねないからだ。それにしても、船井メディアのやり方は荒っぽい。

 国税の査察が無事終了し、アースハート側の傷が少なかった場合は、5,200万円(一説には7,000万円とも言われる)、しかし、何の問題もなく終了した場合は、約2億円。その額にも驚くが、刑事事件になりかねない事案を、いくら国税あがりの税理士とはいえ、もみ消しに近いかたちで闇に葬ることはできまい。はめられたかたちのアースハート側に焦りがあったとしか思えないが、関係者の話を聞くと、「野々垣にしてやられた」という声が聞こえてくる。
 船井メディアの野々垣氏は、アースハート側の危機感を煽ったうえで、税理士法人を紹介。さらに、検事あがりのいわゆるヤメ検弁護士まで引っ張り出して、安心感を演出したのだという。

 アースハートの関係者は次のように話す。
 「国税の査察官だったとかいう税理士が何人も問題解決にあたるという話だった。しかもヤメ検までついている。野々垣氏に任せていれば安心という雰囲気になっていた。実は査察が入ってから2年以上、国税当局は結論を出せないでいた。アースハートがやっているのは商行為。会員が払ったセミナー代金が宗教法人に移されていたことが脱税だと指摘されているが、これは会社の税理士が『大丈夫』だというからやっていたこと。見解の相違としか言いようがないが、それを脱税だと言われるなら、甘んじて処分を受けるしかない。元代表の野中さんが、違法を認識していたわけではないと思う。野々垣が、船井ブランドに対するアースハート幹部の信頼をうまく利用して、税理士法人との契約に持ち込んだということだろう」。

 他のアースハート関係者も、同様の話をしている。
 「あの船井総研の関連企業の社長が、太鼓判を押していたのだから、内部ではこれで安心という思いがあった。事実、船井サイドが世話した税理士たちは『これが脱税にあたるはずがない』と、強気の発言ばかりだったらしい。結局、税理士法人に支払ったカネは、何の役にも立たなかったことになる」。

(つづく)
【特別取材班】

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