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樋渡啓祐氏「過去の無い未来は無い」~武雄市長物語より(239)
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2014年1月 7日 07:00

 NET-IBでは、SNSやブログで情報発信を行なっている佐賀県武雄市長・樋渡啓祐氏のブログを紹介している。
 今回は成人式について記載している、1月3日午後6時53分のブログを紹介する。


過去の無い未来は無い

 今日は一足先に武雄市では成人式でした。新成人500名以上の皆さんがお越しに。今日の成人式の挨拶は以下のとおりです。

*************************

 新成人の皆さん、おめでとうございます。保護者の皆さん、心から感謝申し上げます。そして、杉原豊喜市議会議長を始め市民、地域の皆さん、ありがとうございます。

 今日は何をお話ししようか直前までいろいろ迷いましたが、最近の安倍総理の靖国神社訪問、ベストセラー「永遠の0」の映画化など、先の大戦がクローズアップされている中で、私の大叔父(私の亡くなった祖母の弟)で武内町在住の松尾俊武という者がおります。もう齢90を超していますが、昨年、一冊の小冊子を渡されました。それは、ちょうど、今日成人式を迎える皆さんと同じ年代だったときのことがつらつら描かれていましたが、驚くべきことに、敗戦濃厚の雰囲気の中、フィリピン、マレーシア、インドネシアと次々に転戦していました。こういうことがありました。ちょうど、フィリピンの群島に上陸する際、松尾俊武青年を載せた輸送船の前の船が自分の目の前で、アメリカの爆撃機にやられ、沈没。また、自分の後ろの船は、魚雷で撃沈。松尾青年の船も命からがら上陸を果たしたそうです。しかし、餓えやマラリア、戦禍で、次々に戦友、友人が亡くなっていきます。

 松尾青年は、戦後4年間、シンガポールを中心に日本の敗戦処理の一角を占めました。日本の尊厳を守りながら、主権国への道筋をつけるためです。当時、亡くなった戦友達に対して、何で、自分は生きているんだろう、申し訳無いってずっと思っていたそうです。

 結局、君たちと同じ年頃に、都合7年間も戦地にいたわけです。青春とかへったくれもない。そんな松尾青年は例外ではありません。先の大戦で、我が国のために亡くなった英霊は300万人、そして、その当時の私たちの偉大な先輩、先達のおかげで、今の日本はあります。それを私たちは忘れてはいけない。その方々のおかげで今の日本があるのです。そして、君たちがあるということを。

 今日、成人式を迎えるに当たって、ぜひ、君たちにつながる過去の日本を振り返ってほしい。そして、おじいさん、おばあさんに、当時のことを聞いてほしい。君たちが、戦争を生で知る人たちとアクセスできる最後の世代です。そして、ぜひ、当時の思いを共有してほしいと願っています。

 過去の無い未来は無い、そう信じています。

 過去の無い未来は無い、そう確信しています。

 また、もう一つ、アクセスできる方法があります。それは本です。本。全国的に注目されている武雄市図書館ですが、20万冊の蔵書の中で、当時の本を数多く集めています。本は僕もそうでしたが、確実に人生を豊かに、また、変えていきます。私は、本が一人でも多くの皆さんに届くように、賛否両論ある中で、武雄市図書館を作り上げてきました。ぜひ、成人式が終わったら、武雄市図書館に寄ってください。STARBUCKSで一所懸命働いている新成人もいます。年中無休で皆さんたちをお待ちしています。

 最後に、皆さん達の前には、輝かしい前途が待っています。どの分野においても、精一杯頑張ってください。私たち大人世代は皆さんを応援します。重ねて、おめでとうございます。そして、保護者の皆さん、地域の皆さん、本日はありがとうございました。武雄市民を代表して私の挨拶に代えます。ご静聴、ありがとうございました。

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樋渡氏のブログはコチラ


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