九大の叡智生かしたゲートシティ誕生へ
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九大の叡智を生かしたまちづくり
北原・田尻土地区画整理事業で目を引くのは、大和ハウス工業が建設する商業施設のデザインコンセプトに、九大に通う現役学生のアイデアが生かされている点だ。
天神ビジネスセンターをデザインしたことで知られる重松象平氏がセンター長を務め、環境をテーマに、デザイン×エンジニアリングの視点で設計教育を行うBeCATの面々が、学生たちの提案にプロの視点からアドバイス。依頼主であり、実際に建設を手がける大和ハウス工業の意向や提示された予算、地域住民や施設利用者の利便性が考慮されているのか、地域のランドマークとして相応しい意匠なのかなど、複数回のプレゼンを通して研鑽が重ねられている。
週末に商業施設の駐車場を一部マルシェとして開放し、地元の農業従事者と地域住民との交流促進を図る案、商業施設の一部を芝生広場として開放する案、カフェ併設のシェアオフィスを設置する案など、学生からは多種多様なプレゼンが行われた。
福岡市の中心部まで自動車・電車の利用で30分以内、隣接自治体の糸島市の観光スポットにも非常に近く、仕事とプライベートの充実を図りやすい稀少な立地と、同じ学園通線沿いで進められている大小さまざまな開発との親和性の高さは、姪浜以西の発展を牽引する一大プロジェクトとしても注目される。これから地域とともに成長していくこのまちには、人・モノ・カネ・情報、そこに九大の“知”が加わることによる高いポテンシャルが秘められている。
北原・田尻土地区画整理事業に寄せて
笠 康雄 氏
北原・田尻土地区画整理事業は、構想から実現まで約9年を費やしたプロジェクトです。地域住民の皆さまからの理解を得ることに加えて、参画企業との諸々の調整、そして九大との連携と、相応の苦労と時間を要しましたが、おかげさまで地域の活性化に寄与する新たなまちがもう間もなく誕生します。
先行して、西部ガス都市開発による商業施設(旧・マルタイ工場跡地)が今秋オープン予定となっており、こちらのデザインコンセプトには九大生のアイデアも反映される予定です。また、住民の皆さんの憩いの場として、芝生広場のある公園も計画しております。
九大の移転により、周辺エリアが開発に際して非常に厳しい条件が設けられた市街化調整区域から、市街化区域に編入されたことが、今日の地域の活性化につながっています。地域としても、せっかく九州最高峰の知的集団である九大が来られたのですから、これを活用しない手はありません。新たなまちのエリアイメージや、ネーミングにも、ぜひ九大のアカデミックな感性を生かしていただきたいと考えています。
そして、まちの運営に関しては、民間が主体的に取り組むエリアマネジメント(※)の実施を視野に入れています。地域に進出してくださる企業から費用を徴収し、まちの運営を企業と地域で一手に請け負うというものです。実現すれば、福岡県下におけるまちづくりの在り方として、先駆的な取り組みとなります。
私たちが目指しているのは、長期的な視野に立った持続可能なまちづくりであり、そこに暮らす誰もが夢をもてるまちづくりなのです。
※エリアマネジメント:特定のエリアを単位に、民間が主体となって、まちづくりや地域経営(マネジメント)を積極的に行おうという取り組み。
【代 源太朗】
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