HOME > 企業・経済 > 一般 > 東芝不正会計の源は、西田厚聰社長にあり(後)

一般

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2016年02月23日 11:19

東芝不正会計の源は、西田厚聰社長にあり(後)

office2 実は、1997年3月期まで800億円もの営業利益を叩き出していた東芝のパソコン部門は、西田氏がパソコン事業部長に就いた90年代後半以降、利益はつるべ落としに降下していった。2002年3月期は赤字に陥り、03年3月期の第1四半期は大幅赤字に転落。証券アナリストからは、「東芝のパソコン事業は構造的に収益力を落としているのではないか」と批判的にみるものも少なくなかった。当時、米コンパックを吸収合併したヒューレット・パッカードが北米市場で低価格品攻勢を強め、東芝は一気に守勢に回り、売れ残りの在庫の山を抱えたのだ。

 04年1月、専務に昇格していた西田氏は、突如、パソコン事業の立て直しを命じられ、PC&ネットワークス社に舞い戻り、陣頭指揮をとることに。このとき西室会長、岡村社長は、それぞれ通例の交代時期である任期4年を迎えていたが、あわよくば経団連会長を目論んでいた西室氏が1年留任を画策。異例のことだが、まだ1月の時点で、取締役会は株主総会で選任される社長候補を岡村氏と選んだ。通例3月末に決めることをこの時期にしたというのは、経団連の会長は、現職の企業経営者である社長か会長と定めていることと関係がある。西室氏は相談役になったら、経団連会長にはなれないのだ。

 会長、社長が留任するといえども、それはわずか1年に過ぎず、「その次は西田が就くというのは当時の取締役はみなそう思っていた」(元副社長)。いわば社長が内定していた段階で、パソコン事業再建が託されていた西田氏が、立て直しの秘策に使ったのが、ODMメーカーへの事実上の押し込み販売「バイセル取引」。この取引を進言したのが、資材部門一筋で歩んできた田中久雄氏だった。

 やがて台湾メーカーを使った不正会計は雪だるま式に膨れ、ついには四半期決算期末には売上高よりも利益のほうが大きいという異常事態に。昨年夏、東芝の第三者調査委員会が不十分な調査ながらも暴いたことによって、東芝の不正会計が組織的に行われたものと判明していくが、その源流にあるのが、パソコン部門のバイセル取引だった。そのときの恩義がある田中氏のことを西田氏は引き立ててゆき、自身と対立した佐々木則夫社長(後に副会長)の後任に起用。資材部門という傍流からの社長起用は異例のことと騒がれたが、それにはこうした事情がある。

 もう1人、田中氏と親しい、同じく資材部門出身の石川隆彦氏が東芝国際調達台湾社の総経理として赴任したが、石川氏はすでに台湾着任15年を数える。3~5年で交代するのが一般的な東芝にあっては、極めて異常な長期在任。やはり裏の事情を知るが故、動かすに動かせないのではあるまいか――。

(了)
【ジャーナリスト・天喜 輿望】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2017年03月28日 16:57
NEW!

『創業の原点に返れ』飯田建設と福岡・九州の土木の歩み(1)

 1951年6月に創業以来、福岡・九州での土木業を中心とした建設分野の事業を手がけ、65年にわたり地域のインフラ・街づくりに貢献してきた飯田建設(株)と同社グループ。20 ...

2017年03月28日 15:52
NEW!

スマホアプリ決済でカード不要に

 現在我が国のほとんどの人々が、携帯電話を保有している。総務省の2016年度版情報通信白書によると、スマートフォンの利用率は60.2%の数値を示し、年々スマートフォンの利 ...

2017年03月28日 15:02
NEW!

日本への関心が深まる中国、注目されるのは「日本の利点」

 今回の中国出張は、2月24日に東京を離れてから3月15日に帰ってくるまで、3週間という長さになった。  この3週間で、私は福建省厦門市、四川省成都市、山東省済南市、そし ...

2017年03月28日 14:33
NEW!

NK細胞の大きな可能性

日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)  私たちの体には毎日3,000個以上のがん細胞が発生すると考えられている。  それにも関わらず人間がすぐがんにならな ...

2017年03月28日 13:19
NEW!

43「梅里雪山トレッキング」 2015年10月

 「雨崩(ユイボン)」の山小屋を出発し、神瀑に向けて谷沿いに登っていったが、多くのチベット族の巡礼の人々とすれ違った。 井上正弘 略歴 1948年 宮崎県に生まれる。 1 ...

pagetop