西中洲のテナント動向
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コロナ禍に西中洲のテナントビル「連スクエア・連ラウンド」(以下、連ビル)を取得し、バリューアップを経て売却した(株)トリビュート(福岡市博多区)。売却後も管理を続ける同社の代表取締役社長・田中稔眞氏に、ビルの入居や賃料動向について聞いた。
──西中洲のまちの特徴は。
田中 中洲よりも落ち着いた雰囲気で、とくにここ数年は高級飲食店の開業が目立っています。中洲も西中洲も空きテナントは減っていますが、西中洲はそもそも狭いこともあり、より希少性が高いまちといえます。
──連ビルのバリューアップの内容について、お聞かせください。
田中 取得当初、賃料単価は現在の6割程度でした。取得したのは、立地の希少性からビルの収益性を伸ばす余地があると考えたからです。当社が取得した直後にコロナ禍となりましたが、私が調べた範囲では当時の西中洲に空室はそれほど多くはありませんでした。
コロナ禍にも関わらず、連ビルの空き区画はわずかでしたが、本格的に影響が出たのは22年の中頃でした。コロナ禍の長期化に耐えられなくなった飲食テナントが続々と退去し、連ビルの空室率も一時は3割まで上昇しました。それでも、収束を見据えて、外壁や植栽のリニューアルを断行しました。募集賃料も上げざるを得ませんでしたが、ほどなくして全区画が埋まりました。コロナ禍という厳しい期間はありましたが、結果としてバリューアップに成功し、現オーナーさまにもその点をご評価いただいたのだと自負しております。
──管理するうえで、コロナ禍後の変化はありますか。
田中 コロナ禍が明けたことで、著名な高級飲食店からの問い合わせも増えており、西中洲のブランド価値がさらに上昇していることを実感しています。コロナ禍で控えられていた会食の機会が戻りつつあるなかで、西中洲のブランド価値が上がったことの相乗効果が現れているのだと思います。それでも、まだ開発余地は残されていますので、西中洲ブランドがさらに上昇する可能性は、十分にあるのではないでしょうか。
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