2024年04月27日( 土 )

拡大続ける電通、海外事業推進で真のグローバル企業に

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office2 (株)電通と(株)博報堂DYホールディングス(以下、博報堂DY)。国内における広告代理業はこれら大手2社による寡占が進んでいる。しかも電通と博報堂DYの差も驚くほど大きい。近年、電通は海外展開を加速しており、さらに巨大化しようとしている。

 電通が2015年から会計基準をIFRSに変更しているため、日本基準で直接比較できる14年3月期でみると、電通の連結売上高が2兆3,093億円、営業利益714億9,000万円、経常利益、825億3,800万円、当期利益388億円。これに対し、博報堂DYの連結売上高は1兆959億円、営業利益339億1,600万円、経常利益354億3,200万円、187億2,100万円となっている。すべてで電通は博報堂DYにダブルスコアの差をつけている。総資産では電通は2兆6,383億円、博報堂DYが5,839億7,000万円で、その差は実に4倍以上。

 博報堂DYもその規模は巨大だ。業界3位とされる(株)アサツーディ・ケイ(以下、ADK)の15年12月期連結決算は売上高3,519億5,600万円、営業利益49億100万円、経常利益85億9,000万円、純利益53億6,200万円。これに対し、博報堂DYの16年3月期は売上高1兆2,152億円、営業利益449億9,400万円、経常利益474億9,500万円、当期利益285億3,100万円。売上高だけで博報堂DYとADKには倍近い開きがある。

 電通は13年3月、英国のイージス・グループを買収。海外本社として電通イージス・ネットワークを設立し、海外展開を強力に推し進めている。会計基準をIFRSに変更したのもこの一環。イージス買収によって、世界の広告店売上高ランキング(5位)は変わらなかったものの、電通の海外事業構成比は15%から51%まで一気に拡大。日本国内では25%のトップシェアを確立し、さらにグローバル企業としての成長を図る。海外事業ではインターネット関連が売上総利益の43%に増え、さらにはオリンピックやサッカーワールドカップなどの国際連盟とのつながりも深い。2020年東京オリンピック・パラリンピックのマーケティング専門代理店も任されており、電通のグローバル企業としての性格は今後もますます強くなっていくだろう。

【平古場 豪】

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