2024年04月27日( 土 )

軽量で機動性のある進化系LED非常灯を開発(前)

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(株)エコスター

従来のLED照明の課題を克服

20160824_023 福岡市博多区豊に本社を構え、省エネ型照明器具の開発、製造販売を手がける(株)エコスター。同社は研究開発を重ね、従来のLED照明の弱点を克服した進化系LED照明「ESAC-220」を開発した。省エネの代表格として、普及しているLEDだが、「光の指向性が高く、広がりがない」、また「高出力にすると、故障しやすい」という弱点があった。そのため、特殊なレンズと反射板を組み合わせ、小さな光源で高照度を実現した。また角度の異なる反射板を複数開発しており、反射板を交換することで、光の広がりを調整することが可能となった。光源を小さくすることで、消費電力を抑えることができるうえに、故障の原因となる発熱も抑えることに成功。当機は交流電源で点灯できるので、従来の照明器具に付属していた安定器が不要としている。照明自体の寿命は長くても、安定器が先に故障するという例も頻発しているが、安定器がないことで、そのようなトラブルも発生しない。また安定器自体も電力を消費していたが、それがないことで電気工事費も消費電力も大幅にカットできる。

 ボディとカバーはポリカーボネート素材を採用。鋼板素材に比べ、約70%軽量化し、錆びにくい材質のため、屋外の設置に適している。ある駐車場での導入例がある。250ワットの水銀灯2つをたった20ワットの当機4つに取り替えたところ、消費電力の削減率は驚きの86%だったという。歳月をかけた研究の成果が今、輝こうとしている。

屋外用照明に勝機あり

 「今さら、屋内用のLED照明を開発しても、すでに商材が多く、価格競争では大手と戦っても勝ち目はない。しかし、屋外用にはまだ競争の余地がある」と奥慎司社長は言う。他社製品を見ても、屋外用はワット数が大きく、器具の重量が重い。さらに雨や湿気などに対する防水性を高めるのが難しいという課題もあった。そこで採用したのが、ポリカーボネートだ。防水性が向上し、重量が軽くなったと同時に、透明のポリカーボネートを用いることで、器具の裏面にも光が出るようになった。照明器具の裏面から光が出ることで、例えば天井に設置した場合、天井面も明るく照射されることで、空間全体の明るさや印象が変わってくるという思わぬ副産物も得た。

 同社製品を導入した、あるパチンコ店からは「こんなにも削減できるのか」と驚きの声が上がった。それまで照明器具で多くの電力を消費していた同店では、電気代の削減率92%を記録。これまでの導入実績では、平均で75〜85%の削減率を実現している。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:奥 慎司
所在地:福岡市博多区豊1-9-11
設 立:2013年8月
資本金:900万円
T E L:092-483-3459
U R L:http://eco-star.info/

<プロフィール>
奥 慎司
1957年生まれ。福岡県出身。90年代初めより、パチンコ台に新技術の提案をスタートさせる。その後、照明器具開発をきっかけに、(株)エコスターの設立に参画。2016年2月に代表取締役に就任。

 
(後)

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