2024年04月27日( 土 )

某店ママに頼まれて中洲の人気店「悠」を潜入調査!

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午後8時台で賑わう「悠」の様子<

午後8時台で賑わう「悠」の様子

 バブル期の繁栄時代と比べて、中洲で増えたものと言えば、客引きと案内所、コンビニとカラオケ店。タクシーがつかまらないのが当たり前だった昔に比べれば、たしかに人通りは減っている。ただし、すべての店が儲かっていないわけではなく、閑古鳥が鳴いている店もあれば連日満員の店もある。この差は何なのか。正直、小生は騒がしいところが苦手なのだが、ヒマで頭を抱える某店のママに頼まれ、人気店との噂が立つ店に潜入することになった。

 比較的落ち着いている時間から様子を見ようと店を訪れたのは午後8時半頃。しかし、小生の思惑は見事に外れ、ドアを開けた瞬間に店内の賑やかな声に圧倒された。ざっと見ただけで20人弱の女の子、客は30人くらいが席についている。小生が座ったことで6席のカウンターも埋まった。店の規模を考えると1日に出勤するスタッフは20人程度、すでに客入りのピーク時を迎えているのか。中洲でも女の子が出そろうのは午後9時過ぎという店が珍しくないなか、たしかに健闘している。

 カウンター担当の店長から仕入れた情報では、まだピークではなく、いつも通りならさらに客が増えるという。長期戦は不利になると考えた小生は、目的を正直に話して直接、その店「悠(ゆう)」の悠加ママに話を聞くことにした。

 中国の大連から中洲に来て18年という悠加ママは、10年前に独立して「悠」を2007年8月にグラン中洲ビルにオープン。当初は同じビルの6階にあったが、そのテナントに客が入りきれなくなったため、11年に1階に移転。その頃から景気が良い話である。現在、20~30代が23名在籍しており、常時18~20人は出勤。中国人ママの店では珍しく、店の女の子のほとんどが日本人。地元・福岡出身の子が多いという。

 お店のコンセプトは、シンプルに「安くて、楽しい!」。悠加ママに料金システムを聞くと、飲み放題は1時間6,000円と特別に安いわけではないが、キープをすると2時間半で6,000円(焼酎8,000円~、ウィスキー・ブランデー1万円~)。さらにカラオケ無料、指名料無料でリピーターにとって優しい内容。ママの気さくな人柄もあってか、女の子たちの定着率は高く、「1年8カ月ぶりに来ても知った顔がいてホッとする」(隣に座った出張客)という。

 実際に、客の様子をうかがうと会社帰りの地元のサラリーマン風の2~3人組が多かった。ママによると女の子たちは友人同士の紹介が多いとのこと。彼女たちの抜群のチームプレイでいつ来てもホーム的な雰囲気がお客に約束されているのだろう。依頼主にだけ伝えるのはもったいないので、今回の記事に書いたわけだが、「こんなに忙しいのに大丈夫?」と聞くと、ママは「まだまだ3人ぐらい入れるよ!」とニッコリ。一見の飛び込みでも快く受け入れてくれそうで安心である。

 厳しい商売の世界で、時代とともに変化するニーズに合わせて街や店の様相も変わっていく。以前は、中洲で増えるコンビニについて、「街の風情がなくなる」と嘆いていた老舗ママも、今では「おひとり様の量があって便利がいい」とコンビニの常連になった。シンプルな料金で地元・福岡のアットホームな賑わいをウリにした「悠」は、中洲に求められているニーズの1つの現れかもしれない。

【長丘 萬月】

<SHOP INFORMATION>
yu中洲「悠」
所在地:福岡市博多区中洲4丁目2-14 グラン中洲1階
営業時間:午後8時~ラスト(日曜・祝日、連休最終日休み)
基本料金:1時間6,000円(飲み放題、カラオケ無料)
※キープで2時間半6,000円
TEL:092-282-3394

<プロフィール>
長丘 萬月 (ながおか まんげつ)
福岡県生まれ。雑誌編集業を経てフリーに転身。よく言えば「現場主義」でひと通りの「ボッタクリ」を取材し(被害に遭い)、蓄積したデータをもとに「歓楽街の安全・安心な歩き方」を勝手にサポート(武勇伝として語るだけ)している。自称「中洲飲み屋のコンサルタント」だが、実際は愚痴の聞き役で最後は店で寝てしまう。腹周りと肝臓の脂肪が気になる今日この頃、それでも中洲に毎日出没する。

 

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