2024年04月27日( 土 )

企業研究・渡辺パイプ(株)~さらなる販路拡大を目指す資材商社の雄(前)

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 全国主要都市に営業拠点を構え、管材商社としてトップクラスの業績を誇る渡辺パイプ(株)。未上場ながら2016年3月期の連結決算で売上高2,464億2,765万円の事業規模を持つ。しかも、地方の管材、電材業者を傘下に加え事業の確立を目指している。九州地区における地場業者の取り込みも活発化しており、既存の地方管材商社との競争は激しくなりそうだ。

東京から全国区へ事業拡大し業界トップへ

 1950年6月、創業者の渡辺次祐氏が管材などの販売を目的に東京で創業。その後、83年12月に(株)渡辺次祐商店として法人化された。設立当初はパイプとその付属品の販売が主だったが、鉄管・継手・バルブなどの販売を開始したのを皮切りに鋼管継手の製作・鉄管の加工を開始。さらには排水金具・衛生器具・ビニール管と付属品の新規取扱いを開始するなど、管材にとどまらず幅広い資材の販売を手がけるようになった。

 そのころから千葉県・茨城県に販路を伸ばし、後に全国進出を果たすための基盤が形成されていく。冷暖房機器・ボイラー付属品・高圧用部品の販売を開始するなど専門分野の部品販売が充実。ポンプ類・鋳鉄管の販売も加わると多岐にわたる商材を持つ管材商社として名が知られるようになった。60年には埼玉県・群馬県に進出を果たし、販路は関東一円に拡大する。そして、管材の販売だけでなく鉄骨加工・工場倉庫・建築請負などのさまざまな分野にも進出した。販路が関東全域から東海地方へと拡大していくなかで、業界でトップクラスの管材商社となった。

 さらなる市場開拓を目指して目が向けられたのが近畿地区、そして九州地区である。69年には、九州地区への足がかりとして福岡営業所を開設し、九州での営業の拠点とした。また、北日本では、86年に札幌物流センターを開設。全国主要都市への進出の勢いを強めた。2003年には住宅施設機器販売を専門に扱う営業拠点を首都圏中心に開設するなど、事業展開の内容も充実。このころから地方の材料販売業者との連携が見られ、さらに業務提携の締結に繋がっていくことになる。

 現在では全国で518カ所の営業・サービスセンターを設置。3,000社を超えるメーカーや業者との連携を図り、7万社を超える取引先に商材やサービスの提供を行っている。日本国内のほかには、温室の設計・施行、販売および部品・資材の販売を行うための海外に拠点を展開。ベトナムにWatanabe Pipe Vietnamを設立して、海外進出の足掛かりとした。

(つづく)
【道山 憲一】

<COMPANY INFORMATION>
代 表:渡辺 元
所在地:東京都中央区築地5-6-10
九州支店:福岡県糟屋郡粕屋町仲原2654-1
設 立:1957年4月
資本金:100億9,918万円
売上高:(16/3連結)2,464億2,765万円

 
(中)

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